内容説明
漱石作品における意識的な省筆、“言葉”と“言葉”の照応から我々は何を感得できるか。読者との精神的交渉を心から望んだ漱石の、真剣な工夫が明らかになる。
目次
「倫敦塔」論―生の裸形
「カーライル博物館」の記述―その心象風景
「琴のそら音」―出過ぎた洋灯の穂、幽霊論
「一夜」―夢を織る場所
写すわれと写さるる彼―「趣味の遺伝」のこと
「夢十夜」の叙法―読者の想像力ということ
物言わぬ文鳥
『永日小品』の「蛇」その他―足と頭と落下
「柿」について―母性の力、子供の心
「火鉢」の文章―「永日小品」について
画像と額縁―「モナリザ」の黄色い顔
「火事」―尊厳と自由
「紀元節」―何ら精神的な交渉なく
まだ見たことのない鳥―漱石の批評行為ということ
太い線、昔通りの顔―「変化」
著者等紹介
山崎甲一[ヤマザキコウイチ]
1950年新潟県の生まれ。1972年東洋大学文学部国文学科卒業。1974年東洋大学大学院(文学研究科)修士課程修了。鶴見大学女子短期大学部助教授を経て、現在、東洋大学文学部教授
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