内容説明
風土記とは何か。風土記を編纂するということはいかなる営みであったのか。風土記の編纂に当たった人々、彼らは中央政府に示すべき伝承を選び、それを文字化した。そこには読者を意識した表現の芽生えがあり、まさに「文学」意識の第一歩というべきである。文献そのものの検討を含み込んだ上で、文学の視点を設定し、国ごとの個別研究から先へ踏み込んだ風土記総合研究。
目次
1 文献(風土記本文の復元について;『常陸国風土記』再発見前夜―藩撰地誌『古今類聚常陸国誌』;三條西家本播磨国風土記の字体をいかに理解するか―木簡や正倉院文書との比較から;中世から近世にかけての風土記受容史の一斑)
2 文体・文字(文体・文字総論;『常陸国風土記』の文体―「存」を中心にして;『播磨国風土記』の表記―文体との関わり;『出雲国風土記』地名起源記事の文体―“秋鹿郡”を中心に;西海道乙類風土記の字音仮名について;肥前国風土記の文章―進取の気性)
3 説話(巫女の死―風土記説話の水準;「新治の国小筑波の岳」に込められた意味―『常陸国風土記』香澄里・新治洲条;霊つるぎの主張―播磨国風土記・旧聞異事の生成;『出雲国風土記』の説話表現―感情描出をめぐって;「大足彦天皇」の姿―『肥前国風土記』神崎郡琴木岡条の記事から;蘇民将来伝承考―『備後国風土記』逸文の形成)
4 資料(「風土記」研究史年表;「風土記」地名起源一覧;「風土記」地理比定一覧;「風土記」字音仮名索引;「風土記」類話・類型一覧)
著者等紹介
神田典城[カンダノリシロ]
1949年生まれ。学習院女子大学国際文化交流学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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