内容説明
本書は、既刊未収録の「源氏物語五十四条」(未完、第十五回「蓬生」まで)を掲載した。また、源氏物語、平安朝文学の研究史、享受史の論考、講演録も収めた。“源氏学者”としての蘊蓄が随所に披瀝され、明快な語り口で物語全体に及ぶ読みの勘所が説かれている。巻末に「座談会『源氏物語』をどう読むか」(中村真一郎・今井源衛・大野晋)を附載する。
目次
源氏物語五十四条
源氏物語論の歴史―現代
戦後における源氏物語研究の動向
源氏物語の作者―その研究史の概観
戦後二〇年の平安朝文学研究展望
源氏物語における先行文学の影響
平安文学の制作者と読者
物語の享受
物語の鑑賞
源氏物語の上演・上映〔ほか〕