出版社内容情報
韓国、中国、台湾、日本の近代日本語文学の研究者が発行する国際学術誌 第15号。
雑誌のタイトルとなった『跨境(こきょう)』は境界をまたぐという意味です。たんに越すということではなく、跨いでつなぐ。それぞれの局地性や立場を無視することなく、そこに一方の足場を置きながら、さまざまな〈境〉の向こうに他方の足を伸ばすことを目指しています。
【跨ぐことは、時に越えることよりも難しいかもしれない。だがいまこそ、その試みが必要だ。分断を一気に解消する方策など、ありはしない。すべての多様な 人々を包括するような場も、できようはずがない。しかしそれでもなお粘り強く、境を跨ぎ、つなぎ続けることが重要だと私たちは信じる。『跨境/日本語文学 研究』が、異なる立場、異なる考えをもつ者たちの、邂逅と対話の場となることを願っている。】...創刊の辞より
目次
エッセイ―跨境の言葉(悲劇と笑いが出会うとき;それぞれの語感)
一般論文(植民地樺太をめぐる旅―巌谷小波の樺太体験;1940年代の女性作家の作品からみる仏印像―「日仏協力」という“帝国”間の関係性を中心に;異文化理解の(不)可能性―阿部知二『北京』論 ほか)
研究資料(徐卓呆による世界童話と西洋小説の重訳;日本占領期前後のインドネシア二重言語文学研究―一国中心主義を乗り越える「南洋」文学;ビルマ戦線朝鮮人学徒志願兵の記録―李佳炯『怒りの河』)
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