内容説明
和歌を現代人は本当に読めているのか?根源的な問を実作者の位相から改めて発することによって今日の和歌研究のパラダイムの変換を迫る。「古典の息吹再生」という今日的課題に迫る。和歌文学会の最前線の研究成果を、和歌研究者のみならず他領域を含めた内外の読者に解放することを目ざして、今、切実かつ本質的なテーマを追求。
目次
仙覚の万葉歌解釈における理法と詩学―方法としての「ことわり」
散り敷く花の評価―三代集時代を中心に
清涼殿東庭の松が浦島―西本願寺本躬恒集の本文校訂
『貫之集注』と貫之の表現
三十六人集の本文改訂 試論―陽明文庫(サ・六八)本を中心に
公任歌学と古今集序注―仮名序古注と公任序注の先後
『和漢朗詠集』躑躅部成立の背景―王朝の色彩美
和歌の解釈と物語―伊勢物語の方法
「移ろひたる菊」の意味するもの―「うつろひたる菊にさしたり(蜻蛉日記)」私見
院政期歌学のパラダイム―釈義の方法をめぐって〔ほか〕