出版社内容情報
「ビットリオは病気なの?」
「ああ。きみが芝居をしてくれれば、父の最期を幸せにできる」
1歳7カ月の息子が家のどこにもいない――
クリスタの心臓は止まりそうになった。
別居中の大富豪の夫ジェフが訪ねてきて、
息子は大喜びした矢先だった。ほどなくジェフから電話が入る。
「いま空港にいる。このままこの子を連れてリオへ発つ」
なんですって? お願い、息子を奪わないで!
「息子に会いたければ、君がこっちへ来ればいい」
リオへ飛んだクリスタはまだ知らなかった。
余命わずかな義父のため、幸せな家族を演じることになるとは。
【目次】