出版社内容情報
内気で控えめな日陰の姉を、
日向へ連れ出してくれたのは……。
両親の死後、ずっと自分のことを後回しにしてきたカトリーナ。
ある日、美人で甘やかされた妹が、地元の名士ルシアスにふられたと
泣きついてきたので、妹のためにカトリーナは彼の仕打ちを責めた。
これまで何かと助けてくれた友人でもあるルシアスと
仲違いしてしまうことを、心密かに悲しく思いながら……。
ところが、そんな姉の気持ちも知らず、何を思ったか妹が今度は、
ルシアスを姉に奪われたと誰彼かまわず吹聴し始めた!
うろたえるカトリーナに、ルシアスが思いがけない提案をする――
「僕らは婚約して、結婚に必要なものを君が揃えたら結婚するんだ」
私がルシアスと婚約? ふりをするということ? きっとそうよね……。
ロンドンでも女性にもてるルシアスにまさか本気で求婚されるはずがないと思い込んでいるカトリーナは、見せかけの恋人ごっこを始めるものと解釈。けれども彼は、今よりもっと君がすてきになるようにと、ばら色のドレスを買ってくれたり、しまいには指輪も……。
【目次】