出版社内容情報
【目次】
内容説明
ぼくはアーネスト・カニンガム。まだ駆け出しのミステリー作家だが、きたる推理作家協会主催の50周年イベントになぜか招待された。豪華列車でいく3泊4日の旅には錚々たる作家たちが招かれていて、ぼくは肩身の狭い思いだったが、そのうちの一人が旅の最中、殺害されてしまう。作家陣はもちろん、一般客も誰もが怪しく、何やら秘密を抱えていそうななか、やがて次なる殺人が起こり…。
著者等紹介
スティーヴンソン,ベンジャミン[スティーヴンソン,ベンジャミン] [Stevenson,Benjamin]
受賞歴のあるスタンダップコメディアンであり作家。デビュー作“Greenlight”はネッド・ケリー賞デビュー・クライム・フィクション部門最終候補となり、2作目“Either Side of Midnight”は国際スリラー作家協会賞のペーパーバック・オリジナル賞にノミネート。これまでにブック・オブ・ザ・イヤーに9度ノミネートされた注目の作家で、コメディアンとしても変わらず活躍しており、テレビ出演多数
富永和子[トミナガカズコ]
東京都生まれ。獨協大学英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
76
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編。前作の事件を生き延びたアーネストが今度は豪華列車の殺人事件に巻き込まれる。「本書には犯人の名前が135回出てくる」など相変わらずユーモアたっぷりのメタ要素が面白くてつい微笑んでしまう。オーストラリア横断の豪華列車のミステリイベントに作家枠で参加する事になったアーネスト。しかし一触即発の不穏な空気の中で起こる連続殺人。容疑者はこの走る密室の乗客全員。フェアを主張するアーネストの軽妙な語りと巧みに張り巡らされた伏線。王道謎解きミステリを楽しみたい人へおすすめの1冊。2025/10/29
aquamarine
52
事件はオーストラリアを縦断する豪華列車の中で起こる。前作で自分の巻き込まれた事件を上梓した駆け出し作家アーネストが、自身の見たもの聞いたものを描写することで物語は進むのだが、「犯人の名前が135回出てくる」等のメタ的描写が(嫌いではないのに)乗りにくくて前半苦戦。しかし事件が起こる頃にはすっかり慣れて一気にページをめくった。ミステリとしてフェアで道筋も綺麗、可能か?と思うような冒険もあり、エピローグにはちょっとした驚きも待っている。最後の一頁も好み。アーネストがもう少し魅力的だともっと読みやすかったかな。2025/12/04
M H
24
ミステリー作家になったアーネストは豪華列車で開催されるイベントに招待されるが、ほどなくして作家の1人が殺される。アーネストの軽口や滑りっぷりはそのままに登場人物の性格はより悪くなっている(笑)事件の犯人に迫りつつ、それぞれが抱えた秘密も読みどころに。伏線が貼られていて問題はないもののどうにも会話から真相まで胸糞悪く、解明されても気持ち良いところまではいかない。前作のほうが楽しくて好みだった。2025/10/24
geshi
23
黄金期ミステリ、特に『オリエント急行殺人事件』を思わせるじっくりとした構えと旅+ミステリの魅力はある。派手なプロローグは無く事件関係者たちのキャラクター像や怪しげな動きを描いて殺人までの期待を高めていく。走行中の列車という密室で起こる殺人や意味ありげな関係者たちの動きといったミステリらしさと、観光名所を巡る旅行気分も『オリエント急行』を踏襲している。それぞれの嘘が明らかになる細かな推理はあるものの、メインである犯人当ては動機に重きが置かれていて絞り込みが甘く、満足までは至らなかった。2025/10/11
スイ
20
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編。 私は今作の方がより好みかな! 犯人の名前を何回書くかまで明かす「フェアな推理小説」というスタイルの面白さと、物語自体の面白さがつり合っていて爽快。2025/11/19




