出版社内容情報
大富豪の傲慢は、
視力を失った苛立ちゆえか、
愛のもどかしさゆえか。
家政婦クロエは休暇を終え、職場の屋敷へ戻ってきた。
ここは富豪一族の別荘で訪れる者は少ないのだが、
その日はプールに人の気配を感じた。まさか、エイドリアン?
彼は私の休暇中に事故で亡くなったはずなのに!
クロエは立ちすくみ、日に焼けた体で泳ぐ男性を見つめた。
やがて彼が誰かがわかって安堵した。この別荘の主デクランだ。
エイドリアンの兄で、一族の事業を担う辣腕経営者。
水の滴るたくましいデクランの体や顔には傷跡があった。
ほどなくクロエは、彼の目がほぼ見えていないことに気づく――
【目次】
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- 和書
- マツボックリが笑う日