出版社内容情報
元国税調査官が日本史にガサ入れ! 古代から現代まで庶民は税金に苦しんできた。そして歴史的な事件の背景には脱税が絡んでいた。税金で読み解く源平合戦、織田信長による比叡山焼き討ちは寺社の脱税が原因、二宮尊徳も脱税していた! 明治の財閥の脱税事情など目からウロコの日本史の意外な真実がわかる一冊。
内容説明
歴史の「なぜ?」を税金で読み解く。
目次
第1章 大和朝廷の課題は脱税防止だった
第2章 平安貴族は脱税で墓穴を掘った
第3章 源平合戦は脱税合戦だった
第4章 戦国大名も脱税に悩まされた
第5章 なぜ江戸時代は脱税が少なかったのか?
第6章 大日本帝国の脱税攻防
第7章 戦後のドサクサ脱税
第8章 巧妙化する現代の脱税
著者等紹介
大村大次郎[オオムラオオジロウ]
元国税調査官。国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ系)や『ナサケの女』(テレビ朝日系)の監修等で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
33
著者作3作目の読了。権力の裏側には常に財政的な問題がついて回るので、税金に切り口を絞って歴史事件を見ると、その動態がよりクリアーに見える。そう言う意味で著者の試みは成功している。ただし、歴史の大きな流れがつかめていないと読みは厳しいかも知れない。「脱税の〜」と言う刺激的なタイトルなのだが、どちらかと言えば政策論として読むべき一冊。2024/12/25
アナクマ
29
税金のあれこれ歴史エッセイ。〈地租改正〉江戸時代の年貢は取れ高制で収穫を増やすインセンティブが働かない。税率も地域の役人が決めたので賄賂が横行。システムの不備。そこで土地代の3%という金銭の納税へ。各藩と天領のバラツキも統一。「役人と農民の不透明な関係を清算し、公平で透明性の高い税制になった」と評価。「農民の負担が増えたという見方は事実ではありません」。この時(明治6-14年)の土地調査がいまの土地の登記簿の原型となった(実際の石高は名目の1.5倍あった)。ちなみに著者は角栄や平蔵、トヨタを難じる立場。2025/02/01
こも 旧柏バカ一代
24
こういう視点での歴史の追いかけ方は面白い。大化の改新から白村江の戦いから室町時代までの流れは苦手だったからある程度の流れが分かった気がする。中央の権力の力やモラルが弱まったら税制的には不平等になるんだな。基本的に負担したくないもんな。2024/07/12
しまんと
4
税金切り口の歴史を勉強させていただきました。同時に政治家やお金持ちの蓄財方法と世襲術がわかりました。2024/08/27
読書国の仮住まい
3
国家は税によって作られるが、そこに脱税が発生するのもまた必然。 国家の歴史は脱税の歴史。 大化の改新の目的は脱税防止。 平安貴族は荘園で私服を肥やすが、同時に国家を貧窮させた。 源義経が殺された理由は朝廷への接近。 応仁の乱の原因は税収不足。 中世日本の寺社は非課税特権で勢力を拡大。 延暦寺の焼き討ちは脱税の摘発。 武田領は陸の孤島であるが故に大増税。 過酷と思われた江戸時代も三公七民。 坂本龍馬は贋金造りを献策した。 日本一稼ぐ企業トヨタは税金を払わない、むしろ受け取るもの。 日本の衰退の原因は税金。2025/04/01
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