出版社内容情報
孤島に立ついびつな形の洋館・奇岩館に連れてこられた日雇い労働者の青年・佐藤。到着後、ミステリーの古典になぞらえた猟奇殺人が次々起こる。
それは「探偵」役のために催された、実際に殺人が行われる推理ゲーム、「リアル・マーダー・ミステリー」だった。
佐藤は自分が殺される前に「探偵」の正体を突き止め、ゲームを終わらせようと奔走するが……。
密室。見立て殺人。クローズド・サークル――ミステリーの常識が覆る!
内容説明
孤島に立ついびつな形状の洋館・奇岩館に連れてこられた日雇い労働者の青年・佐藤。到着後、ミステリーの古典になぞらえた猟奇殺人が次々と起こる。それは「探偵」役のために催された、実際に殺人が行われる推理ゲームだった。佐藤は自分が殺される前に「探偵」の正体を突き止め、ゲームを終わらせようと奔走するが…。密室、見立て殺人、クローズド・サークル―ミステリーの常識が覆る!
著者等紹介
高野結史[タカノユウシ]
1979年、北海道生まれ。宇都宮大学卒業。第19回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『臨床法医学者・真壁天秘密基地の首吊り死体』で2021年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
351
タイトルやあらすじから本格ミステリと思い込んで読み始めたらさにあらず。○○ゲームというタイトルで漫画やドラマになっていそうなエンタメ作品。謎解き要素は実質ほとんどなく、億万長者を顧客に抱える謎の組織にしてはかなり杜撰な運営とちゃちな人材リソースなことも、なぜか許せる緩い作風。オチのつけかたまで含めて、予想の斜め上をゆく展開という意味ではオススメできるかもしれない。館物の本格ミステリとして期待を持ちすぎると、雰囲気も何もあったものじゃない世界観に落胆することもあり得るので要注意。2024/03/06
えにくす
108
殺人ゲームを生き延びろ!とある孤島で富裕層のクライアントが、探偵役として殺人事件を暴く推理ゲームが行われる。但し犠牲者だけは何も知らずに本当に殺されるという、恐るべきゲームだ。バイトで雇われた佐藤は自分が殺される前に探偵役を突き止め、ゲームを終わらせようとするが。読者は予め犯人を知っている状態で読むので、視点が変わって非常に面白い。探偵役が不明で次の犠牲者も分からないので、終始ドキハラの展開だ。読み易くて一気に読破出来るだろう。しかし終盤のダラダラで、途中でオチに気付いてしまった。そこが残念だ。★3.7 2024/02/22
相田うえお
84
★★★☆☆24012【奇岩館の殺人 (高野 結史さん)】『このミス』大賞シリーズ。ミステリー好きな富裕層の道楽として、ライターが書いたシナリオ通りにトリック,殺人などが専門スタッフによって実際に行われ、クライアントは別エリアで巨大モニターに映し出された隠しカメラの映像を観ながら推理,賭け,料理,酒を楽しむ...。う〜ん、趣味悪い〜。つーか、参加費数億円をポンっと出せる富豪だとしても何でもアリというのはどうなのかねぇ〜。ああ〜自分は小市民でよかったよ〜。普通のミステリ小説に満足できなくなった方にオススメ!2024/02/17
aquamarine
80
ブラックなバイトの正体は、リアル・ゲームのモブ役。…だが、ゲームは実際に殺人が行われる推理ゲーム「リアル・マーダー・ミステリー」だった。佐藤役を割り振られた彼は、モブ役に徹しているように見せながら推理をし、「探偵」を探し出そうとする。佐藤視点とゲームの進行役の一人である小園間の視点が交互に展開するため表も裏も見えて読みやすい。ミステリファンとして見立てはわかりやすいし、アクシデントが起きて運営側がドタバタするのも面白かったが、題名から想像するような本格ではない。私は楽しんだからいいけど、題名はずるいよね。2024/03/23
yukaring
76
奇岩館と言うだけで「奇岩城」を思いだしてついテンションがあがってしまう。そしてそこで行われるリアル推理ゲーム。誰が犯人で誰が探偵でそして誰が被害者なのか?富裕層へ向けて実際の殺人劇を楽しめるリアル探偵遊戯。リピーターの希望で密室、見立て殺人にクローズドサークルとお楽しみ満載だが不慮の事故でシナリオ通りに進まず焦る運営側。一方バイトでゲームに参加した佐藤はこれがリアル殺人ゲームであること、自分は恐らく殺される役目であることを看破する。最後に生き残るのは誰か?生き残りをかけた謎解きにとてもハラハラさせられた。2024/03/29