宝島社新書
日本で治療薬が買えなくなる日

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784299030542
  • NDC分類 499.09
  • Cコード C0295

出版社内容情報

現在、治療薬の欠品が続いています。ジェネリック医薬品のメーカー不祥事で100品目以上の医薬品が供給不足に陥っています。この傾向は、今後さらに1000品目まで広がり、2年は続くといわれています。これは政府にも問題があります。薬価をおさえすぎたため、ジェネリック医薬品メーカーの品質管理がおざなりになったのです。さらに、医療費削減が進まない現状に、政府は薬局を1万店まで減らすことを考えています。これによって地方の病院近くにある薬局はなくなり、薬が手に入らなくなる人たちが増えます。まさに日本では、「治療薬が買えなくなる日」が目の前に迫っているのです。その現実をレポートします。

内容説明

2021年に始まったジェネリック薬の逼迫。小林化工の不祥事が発端だ。しかしそれは、いちメーカーの問題にとどまるものではない。日本の医療全体のゆがみが生み出した事故だ。増大する医療費のしわ寄せが製薬メーカーに押し寄せた。コンビニ以上に増えた薬局、そして薬剤師に淘汰の日が迫る。日本の治療薬が危ない!その現実をレポートする。

目次

はじめに 本当に日本の医療は「世界最高レベル」なのか
第1章 製薬業界でいま何が起きているのか
第2章 薬不足を招いた重大事件
第3章 ジェネリックの普及は進むか
第4章 薬価を狙い撃ちにして起きたこと
第5章 日本でドラッグラグが再燃している
第6章 薬局、薬剤師は生き残れるか

著者等紹介

五味洋治[ゴミヨウジ]
1958年、長野県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、中日新聞東京本社入社。韓国・延世大学校に語学留学の後、1999年から2002年までソウル支局に勤務。2003年から2006年まで中国総局勤務。2008年8月から10カ月間ジョージタウン大学にフルブライト留学。現在は東京新聞論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Ikutan

66
小林化工の不祥事を発端にして、昨年からジェネリック医薬品の供給が不安定になってきており、最近では、相次ぐ出荷調整で、ジェネリック医薬品だけではなく、先発品まで入手が困難になってきた。これはいちメーカーの責任だけではない。増大する医療費の削減を進める政府が、ジェネリック医薬品の普及を急いだあまり、メーカーにしわ寄せが押し寄せたのだ。この医薬品の供給体制の問題のほか、創薬、薬価や医療費などの問題も海外と比較して分かりやすく解説している。現状はまだまだ続きそう。少しでも早くこの供給混乱が改善して欲しいと思う。2022/08/17

ヒデキ

38
ジェネリックの薬品が、不足している 一見、一部の企業の不正から始まった 状況ですが、今の日本の医療保険が持つ矛盾が、 語られています。 命を守るのにお金がかかるという現実を目の前に突きつけられているんですね2022/12/16

kitten

14
図書館本。小林化工の事件をきっかけに、後発医薬品ほか、先発医薬品ですら出荷調整品が増えている。無理やり後発医薬品を国が推し進めた結果、起こるべくして起こった事件なんだな。国がジェネリック8割に、といったとき、ジェネリックメーカー側が、無理だからあと5年猶予ちょうだい、と言ったのに認められなかった。無理をさせたからこういう事態に陥った訳で。薬価を国が決めるので、日本市場は儲かりにくいと、外資が日本市場を軽視して、がんばって改善されてきたドラッグラグがまた発生しているという話も。現場からみると、どうしろと?2022/08/04

メチコ

11
ジェネリック医薬品を中心に、発端から現在に至るまでの流通の混乱について一通りまとまっている。 医薬品に関わる人たちにとってはここ数年で体感してきた流れのおさらいといった感じなので特に目新しい内容はなし。 数年のブランクを経て薬局などへの職場復帰を検討している方は目を通しておくとよいかも。 「へー、中はそんなことになってるのかー、大変そうだなぁ」と思ったそこのあなた! 現場はその5割増しぐらいで大変だと考えるべし。 一部、週刊誌チックなノリだなと感じた箇所などがあって、それはちょっとなぁ思ってしまったよね。2022/10/17

みのにゃー

5
また最近薬の供給が不安定になっているようだ。それとも状況が全く変わっていないのだろうか。原因は超高齢化社会に発する。逼迫する医療費を抑えるためのジェネリック薬の無理な推進。厚労省は見通しが甘すぎる。そこからメーカーの不祥事。海外の事例や、薬局薬剤師の未来など、わかりやすく解説。日本の未来は暗い。。。2023/07/08

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