出版社内容情報
▼科学はとても人間的な営み。ただ、ちょっと敷居が高いだけ。
あらためて科学で眺めてみたい、私たちの生活とこの世界。
▼本質を突いた解説でおなじみのサイエンスライターによる、
身近な現象から宇宙の謎まであなたの住む世界の見え方が
がらっと変わる、書き下ろし初エッセイ集。
内容説明
科学はとても人間的な営み。ただ、ちょっと敷居が高いだけ。本質を突いた解説でおなじみのサイエンスライターによる、身近な現象から宇宙の謎まであなたの住む世界の見え方ががらっと変わる、初エッセイ集。
目次
第1章 人と世界(しみじみと宇宙の巨大さを想う;物事には原因と結果がある?;“真空”に満ちているもの ほか)
第2章 生活と科学(「コップの水が蒸発する時間」という難問;賢いカラスに気を惹かれ;月に魅せられてもいい3つの謎 ほか)
第3章 科学と科学者(入り口が時代遅れでは…;科学者はなぜオカルト嫌い?;ニュートンを駆り立てたもの ほか)
著者等紹介
吉田伸夫[ヨシダノブオ]
1956年、三重県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。いくつかの大学の講師を経て、現在は、フリーランスの立場から科学哲学や科学史など幅広い分野で研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
110
最近の科学エッセイは随想的だったり解説的だったりと、どうも物足りない。その点、吉田さんの本は本質を鋭く突いていて好きだ。「ニュートンの三法則で、運動方程式の重要性はわかるが、残り二つ(特に作用反作用の法則)はそんなに大切か」「運動方程式で、力が原因、移動(加速度)が結果という理解は誤り」「コップの水が蒸発する時間が計算できるか」「物理学者にとって複素数の意味は何か」などの問いかけを通じて、物理学の神髄に切り込んでゆく。相補性の原理も観測理論もシュレディンガーの猫も過去の遺物だとバッサリ切り捨てるのも痛快。2025/04/23
tetsubun1000mg
15
「身近な現象から宇宙の謎まで、世界の見え方ががらっと変わるエッセイ集」という書籍紹介だったが、宇宙論、ブラックホール、時間とは、量子などかなりハードな内容。 著者は東大物理学部から大学院博士課程修了後は、たくさんの書籍を出されていた。 ガリレオ、ニュートンなど歴史上の物理学者の論文には、現代の情報から見ると誤りや計算間違いも見られるなど評されているが、論文を原書で読むレベル自体がすごい。 物理学者には計算が苦手だが独自の発想で着眼して論文を出すタイプもいるそう。 著者によるとAIはまだ怪しいレベルらしい。2025/04/10
樽
7
理系の人の頭の中をのぞくのは楽しい。2025/05/09
くらーく
4
ん-、著者は博識なのでしょう。私にはここで書かれている事について、判断するだけの知識が無いな。いわゆる、バカの壁の向こう側の世界のようです。部分的には分かる気がするけれどね。だけど、著者が書いているように、きっかけにはなりました。 本書は、言い切っているところが良いね。一番気に入ったのは、P.49の究極のエネルギーをもとめて、だな。都合の良いエネルギーなど、存在しない! です。激しく同意しますね。SDGsだとか、あやふやな言葉でエネルギーを使いまくっていますからね。究極的には、人を減らせば。。。2025/06/04
ntscp2020
3
科学と題にはあるが、ほぼ物理学。最近この手の本を読んでなかったせいか、超ひも理論に否定的な言説に驚いた。96-97ページの相補性や観測者理論を過去の遺物としているところが興味深かった。2025/05/15