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出版社内容情報
トヨタ自動車がガソリン車に代わる脱炭素素車として水素エンジン車を開発し、自動車レースに出場したことで、燃料としての水素が脚光を浴びました。水素が注目されるのは、カーボン・ニュートラルであることのみが要因ではありません。水素エンジンは水素燃焼時に生じる水蒸気の爆発的な膨張力(運動エネルギー)で駆動します。また、燃焼の際に発生する熱エネルギーはボイラーや水素火力発電所で使用されています。また、イオンとして電気エネルギーを運ぶこともできます。燃料電池は水素イオンと酸素イオンを化合させて電気を発生させる「発電装置」であり、トヨタ自動車は燃料電池でつくった電気でモータを回して走る燃料電池車「MIRAI」を2020年に発売しました。このように、水素は単に燃焼時に二酸化炭素を排出しない「クリーン・エネルギー」として価値があるだけでなく、さまざまな形態のパワーを発出できるポテンシャルの高いエネルギー源です。今後、核融合発電を含め、水素エネルギーの利用がますます広がっていくことが予想されています。本書はこうした状況を踏まえ、水素エネルギーの基礎的な知識をわかりやすくまとめた書籍です。
目次
第1章 水素の基本的な性質(奇跡のエネルギーキャリア;宇宙で「いちばん」の元素 ほか)
第2章 水素の燃焼エネルギー(水素の燃焼による熱エネルギー;水素はどれほど燃えやすいか ほか)
第3章 水素イオンが運ぶ電気エネルギー(乾電池で理解する電池の原理;鉛蓄電池で水素イオンが駆け回る ほか)
第4章 核融合の燃料は水素の同位体(核分裂と核融合;太陽とITER ほか)
第5章 水素の製造と貯蔵・輸送(水素の製造1 副生水素;水素の製造2 炭化水素から水素を取り出す ほか)
著者等紹介
白石拓[シライシタク]
1959年、愛媛県生まれ。京都大学工学部卒。サイエンスライター。弘前大学ラボバス事業(文科省後援)に参加、「弘前大学教育力向上プロジェクト」講師(09~15年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。