出版社内容情報
地方創生が叫ばれて10年が経過し、日本の地域社会は人口減少、高齢化、産業構造の変化、インフラ老朽化といった多くの複合的な課題に直面している。これらの課題は、もはや公共セクター単独での対応が困難となっており、民間企業の知見や活力を取り入れた「官民共創」によるイノベーション創出が不可欠となっている。本書は、このような背景の下、地域に新たな価値を生み出し、持続可能な社会を築くための「官民共創による地域発イノベーション」への挑戦を後押しすることを目指している。地方の課題に真摯に向き合い、地域課題型ビジネスの伴走支援に関わってきたEYストラテジー・アンド・コンサルティングが、「創発型」イノベーションの本質を解き明かす。
<本書のポイント>
○ビジネスの視点で地域課題解決術を描く
○リアルタイムで進む全国の成功事例10を詳しく解説
○難解なテーマを分かりやすく図解
【目次】
第1章 これから求められる官民共創とは
1-1 なぜ改めて今〝官民共創〟なのか
1-2 公共セクターにとっての官民共創の意義
1-3 民間企業にとっての官民共創の意義
第2章 官民共創による地域課題解決型ビジネスの創出
2-1 地域課題解決型ビジネス創出の基本フレームワーク
2-2 官民共創による地域・社会課題解決の取り組み
2-3 官民共創の地域課題解決ビジネス推進の5つのポイント
2-4 官民共創ビジネスの実践
第3章 地域課題解決型ビジネスの取り組み事例
3-1 地域交通・モビリティ
地域幸福度向上に貢献する「元気バス」(三重県玉城町、東京大学)
3-2 観光
九州のインバウンド誘客による高付加価値化(九州ボルケーノツーリズム協議会)
3-3 子ども子育てDX
妊娠・出産・子育てにデジタル活用支援(千葉県印西市)
3-4 ローカルエコシステム
地域資源を起点に米作りから多角化戦略(ONESLASH)
3-5 再エネ事業
地域新電力会社が地方企業と過疎を救う(北海道厚沢部町、北海道ガス)
3-6 ライフサイエンス
産官学で「健康・睡眠」課題解決ビジネス(熊本県、ACCELStars、医療法人桜十字)
3-7 農業
零細農家も導入可能なスマート化ビジネス(つじ農園)
3-8 再エネ事業
陸上風力発電所で始まる循環型地域づくり(岩手県遠野市、グリーンパワーインベストメント)
3-9 スポーツ
スタジアム・アリーナによる地域課題解決(長崎市、ジャパネットホールディングス)
3-10 官民連携・中間支援
現地伴走型支援で創造的復興(国際協力機構(JICA)、熊本県(球磨川流域復興局、球磨地域振興局)、熊本県人吉市・球磨郡市町村)
第4章 官民共創による地域課題解決型ビジネス創出に向けた提言
4-1 各地の取り組み事例から見る共通項
4-2 新たな国の動向を踏まえた今後の方向性