出版社内容情報
取材歴20年以上の記者が、日本の通信産業の史上最大の転換点に迫る!
渾身のノンフィクション!
低迷にあえぐ日本企業を象徴する存在である、NTT――
売上13兆円、従業員34万人を誇る大企業でありながら、優秀な人材を巨大テック企業に引き抜かれ、「GAFA予備校」と揶揄(やゆ)され、時価総額ランキングでもアップルやグーグル、アマゾンなどに大きく水をあけられている。
そんなNTTが、再び世界で戦うために、生まれ変わろうとしている。
事業領域を電話からシステム構築、再生可能エネルギー、データセンター、デバイス製造、宇宙開発などへ広げ、さらには、電力効率が従来の100倍となる次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」で勝負をかける。
攻めるNTTが繰り出した一手が、NTTを縛る特殊な法律である「NTT法」の見直しだ。
この法律は、NTTが公共のために存在することを義務付け、国内の通信産業の基盤となっている。
NTT法を見直し、あわよくば廃止に持って行こうとするNTT。これは、NTTの「叛乱(はんらん)」ではないのか――
「年の瀬が迫る2023年12月末、筆者は国内有数の34万人の従業員を抱える企業のトップ、NTT持ち株会社の島田明社長と向かい合っていた。
そこで聞いたのがこんな言葉だった。
『普通の会社になりたい。普通の会社になるべきです』」
――本文より
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
51
縛りの功罪、問われる公共性と企業性。時間軸で変化するPlayersと彼らの思惑に、関連法の陳腐化と政治の力学が絡む多元方程式。営利企業故に、公益や国際競争力という大局の優先度が見えないのが痛い。NTTの成り立ちと”特別な資産”の足かせを考慮すると、英断・大鉈を振るう「軸」は必須。然るに、そのような胆力を持ち合わせたリーダーは何処に?破壊者の澤田・島田両氏が創出した潮流、今後の維持・発展に注視。IOWN2.0、大阪万博の眼玉の1つとなることを信じたい。2025/01/25
templecity
12
NTT法改定の動きは、日本電信電話という名称が時代に合わないこと、今後、新たなパートナーを組む際に研究開発の開示義務などに支障があるなどがある。これまでは利益を上げすぎないようにという国内を意識した振る舞いだったが、今はグローバル競争者を意識した動きとなっている。 2025/03/20
Tatsuya Hirose
3
【NTTの叛乱】 通信業界取材歴20年以上の記者だった著者の本。NTT法に縛られた「ダイナミックループな会社(持株と東・西)」の宿命と現在を比較的わかりやすく書いている。僕はNTTに入社後3ヵ月で分社された(NTT法から外れた)新会社(SIer)に転籍した。なので「宿命」からチョットだけ離れたところで、”特別な資産”を引き継いだダイナミックループな人たちを見てきた感じだ。NTT法が関わる通信の世界は公共性が切り離せない(今のところは)。宿痾な感もある宿命、公共性を睨みながらの競争は厳しい。 2025/03/18
Jun Masuno
2
以前担当していたことがあるので関心があり読む。 希望があるような結末でしたが、どうなるか、楽しみです。 もちろん期待はしているものの、なかなかうまく拡がらないのがあるあるなので。2025/05/31
rubidus
2
ここ数年のNTTと周りの動向を知ることができる。2025/04/04