筑摩選書<br> 江戸の朱子学

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筑摩選書
江戸の朱子学

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015907
  • NDC分類 121.54
  • Cコード C0310

出版社内容情報

江戸時代において朱子学が果たした機能とは何だったのか。この学の骨格から近代化の問題まで、思想界に与えたインパクトを再検討し、従来的イメージを刷新する。

内容説明

中国・南宋の朱熹の思想、朱子学は江戸時代においていかなる機能を果たしたのか―。受容とともに新たな思考が生まれてゆくさまは、従来の体制教学という理解を一面的なものとせずにはいない。とりわけ、朱子学と反朱子学の応酬は結果としてこの時代の思想表現を豊かなものにし、日本の近代化への足掛かりをも作った。本書では、朱子学の骨格から江戸時代における展開、近代化に及ぼした作用までを論じ、日本近世の知的状況を眺望する。

目次

第1章 東アジアにおける朱子学の登場
第2章 江戸朱子学への道
第3章 江戸朱子学の流れ
第4章 丸山真男の朱子学観
第5章 朱子学がもたらしたもの
第6章 朱子学と反朱子学
第7章 朱子学の教理の波及
第8章 朱子学の日本的展開―神道との結合
第9章 江戸後期の朱子学
第10章 朱子学と近代化

著者等紹介

土田健次郎[ツチダケンジロウ]
1949年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coolflat

17
198頁。幕末の儒者広瀬淡窓はその著『儒林評』で二百年来の儒風がほぼ三変したとする。第一変。藤原惺窩・林羅山などが仏教から独立した儒学を開いた。また程朱学(道学)を開いた。中江藤樹、山崎闇斎、熊沢蕃山、貝原益軒、木下順庵等の性理実践の学が仏教を斥け聖人の道を明らかにした。第二変。伊藤仁斎と荻生徂徠が復古を説き、古義を復興した。第三変。伊藤仁斎と荻生徂徠の説が盛んとなり、程朱学が衰微し、再び宋学に帰する者も出たが、その弊害もあったので、両者を収集して折衷学と称する者が出た。当時の7、8割は折衷学であった。2023/09/09

isao_key

8
主に江戸時代の朱子学について、その受容及び反朱子学、陽明学、折衷学などを通じて日本における朱子学の影響と存在を浮き彫りにする優れた学術研究書。朱子学⇒古義学(仁斎)⇒古文辞学(徂徠)にて反朱子学が完成をみるが、江戸後期には徂徠学から朱子学へ転向した学者も多くいた。古文辞学は、各人が個性的に持っている徳をもとにして社会に寄与することによる自己完成を説きながらも、それが自己向上への実感と結びつきにくい。その点朱子学は成人は聖人を目指し、目指すことを生きがいにすることで、自己完成の達成が得られやすいという。2014/07/21

ゆうきなかもと

6
世の中に何人いるかわからんが土田ファンとしては、衝撃的なあとがきファンとしては、平凡社東洋文庫「論語集注」への並々ならぬ思いを感じ取った。個人的に、土田健次郎先生こそ、普遍的という意味で典型的な日本人儒学者なんだと、改めて感じた

ゆうきなかもと

5
荻生徂徠あるいは徂徠学についての記述を中心にザッピングしながらの再読。個人的には朱子学こそが、儒教儒学のハブ(最大結節点)なのではと思っていて、朱子学を中心に考えればそれとのつながり比較で、儒教儒学思想、あるいは仏教思想、イスラーム思想などアジアの思想を網羅的に理解できるのでは?と考えていた。もちろん朱子学をハブにして理解した東洋思想をハブに西洋思想、ロシア思想なども理解できるのでは?などとも考えていたのだが、江戸時代の思想においては朱子学もさることながら、徂徠学もハブなのだと理解した。確かに!2024/08/18

肉尊

5
近世に儒学が興隆したのは、官僚社会の発達と宗教(仏教)が幕府の統制下に置かれ、その権威と権力が後退したからであるという。闇斎・仁斎・徂徠を経る過程において、朱子学は独自の発展を迎え、中村正直のように、思想家たちを比較考察できる知的基盤が西欧の受容を無理なくさせることに結びついたということです。確かに識字率の高さや文明に追いつけという標語だけでは成し遂げられない文明開化。その背景が垣間見れた気がしました。2017/08/07

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