出版社内容情報
2022年11月11日。この日、初めて公となった新会社ラピダスは、日本半導体復権のけん引役となるべくして生まれた。その使命は、日本国内で最先端半導体を量産し、過去30年の遅れを取り戻すことである。2027年の実現を目指す。
設立から5年後に量産開始――。字面から受ける印象以上に、その目標の達成は難しい。日本が世界において半導体製造の最先端にいた30年前は、もはや遠い昔。人も製造のノウハウも日本にはほとんど残っていない。そこで、日本政府が資金援助も含めてラピダスを全面的にバックアップし、米IBMからノウハウを導入するのだという。しかし、IBMは量産技術を持たない。たとえ量産にたどり着けても、そこから先がさらに重要だ。量産はできたが「お客はいなかった」では未来がない。世界中で争奪戦が繰り広げられる半導体人材の確保も頭の痛い問題だ。果たして、あと5年でこうした課題をクリアし、再び半導体立国として復活できるだろうか。
本書では、半導体業界の現在の姿、ラピダス設立の裏側にある日米の思惑、失敗続きの国家プロジェクトなどをひもときながら、日本半導体の未来を見通す。
内容説明
激化する米中対立。懸念される台湾有事。新しい戦争の形を見せるウクライナ戦争―。戦略物資となった半導体確保を巡り、期せず巡ってきたラストチャンス。かつての世界一も今は昔。日本は、この機に乗って復活できるのか?!
目次
第0章 プロローグ
第1章 ラピダス、始動
第2章 経産省が描く復活シナリオ
第3章 死んだ自由貿易
第4章 米国が狙う新サプライチェーン
第5章 「国プロ」の黒歴史を越えて
著者等紹介
久保田龍之介[クボタリュウノスケ]
日経クロステック/日経エレクトロニクス記者。2020年九州大学大学院人間環境学府修了。同年に日経BPに入社。電機業界を中心に半導体やロボット、デジタルツインなどの取材に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫の煙
ぬらりひょん
Kyo-to-read
ぼんすけ
ゼロ投資大学