出版社内容情報
提携相手の選択・対等でWin-Winな関係の構築・知的財産の組み合わせなど、オープンイノベーションを円滑に進める方法を徹底解説!
日本のモノづくりビジネスは、すべてを自社で行う「自前主義」で進めるやり方ではうまくいかなくなってきている。そこで取り入れたいのが、世界的にも主流になりつつある「オープンイノベーション」だ。他社と協力しあって進めるため、自社だけでは賄えない技術や知識などを得て開発を進められるメリットがある。ただ、日本ではオープンイノベーションは「企業同士で対等な関係を構築し、事業を進めることができない」点が大きな課題となり、なかなか成功していない。
オープンイノベーションを成功させるためには、①「対等な関係」の提携でなくてはならないこと、②対等な関係だからこそ、お互いに相手から「学ぶ場」でなくてはならないこと、③ゴールが「Win-Winの関係」でなくてはならないことの3つの基本要素が必要で、これらをクリアするために著者が考える「新しいビジネスを導く“テクノロジー・コラボ術”」を解説する。
このコラボ術のポイントは、①自社の強みを活かし、他社のテクノロジーも活かすことで自社の弱みを克服する「テクノロジーの融合」を検討する、②その構想を実現できる提携相手を見極め、具体的なWin-Winの関係を構築する知的財産(ノウハウや情報資産を含む)の組み合わせをプランニングする、③そのうえで提携相手のビジネスも踏まえた成果の配分設計を行う、という3点で、実際の事例を交えて実践方法を伝える。
さらに、コラボ術実現のための企業の意識改革として、受け身体質からの脱却や相手企業と学びあうことの重要性を説き、これまでオープンイノベーションに関わってきた有識者のインタビューも交えて、日本のオープンイノベーションの未来を語る。
内容説明
自社の強みを把握して、相手と学びあえる関係を目指す。提携相手の選択・信頼関係の構築・知的財産の組み合わせ・成果の配分設計…。オープンイノベーションを始める心構えからスムーズな進め方まで、NTTと東レ、フィリップス、LIXIL、セーレンなどの事例を交えて徹底解説!
目次
第1章 なぜオープンイノベーションはうまくいかないのか(自前主義の思考でオープンイノベーションを実施する落とし穴;なぜ「対等な関係」になれないのか;なぜ提携先と信頼関係を構築できないのか)
第2章 新しいビジネスを導く「テクノロジー・コラボ術」とは(戦略的なテクノロジーの融合が市場を創る;Win‐Winの関係を構築できる戦略的な提携相手の見極め;Win‐Winの関係を構築する知的財産の組み合わせ;戦略的な成果の配分設計;提携先との信頼関係構築とリスクマネジメントの両立)
第3章 オープンイノベーションを推進するための土台づくり(対等な関係を築くうえで必要なもの;自社の強みを再定義する;受け身体質を脱却する;学びあうために必要なもの;「学びあうこと」)がオープンイノベーションの中核要素であり、価値でもある
第4章 これからのオープンイノベーション(日本のモノづくり企業は、このままでよいのか;歴史的必然としてのオープンイノベーション;学び敬いあうオープンイノベーション;技術立国日本の復活に向けて)
著者等紹介
古庄宏臣[フルショウヒロオミ]
知財務株式会社代表取締役。1989年大阪工業大学卒業、大阪ガス株式会社入社。導管設計、事業計画、情報システム開発、知的財産業務に従事。特に知的財産を活かしたオープンイノベーションを推進した。2006年同社を退社して現職。企業が有する知的財産を既存事業とは異なる業界の新規用途に転用することを提案、新規事業開発の支援を数多く手がける。2013年より関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科兼任講師も務め、知的財産戦略を教える
川崎真一[カワサキシンイチ]
株式会社KRI代表取締役社長/博士(工学)。京都大学大学院工学研究科修了。1989年大阪ガス株式会社入社。エレクトロニクス、エネルギー・環境等の領域で主に材料分野の新技術の研究開発に従事。開発品の事業化による新規事業創出も担務。2020年より現職。出願特許は500件以上。京都工芸繊維大学特任教授、シニア・フェローを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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