出版社内容情報
古代世界では、戦争においても情報収集より神々の信託という占いが行動基準となっていた。紀元前4世紀に活躍したアテナイの名将クセノポンは、デルフォイの信託によって大軍をシチリア島に派遣する作戦を実施して無残な失敗に終わった。これに対し、『孫子』では、戦争における占いを完全に否定している。カエサルは情報を重視したことで知られ、情報の秘匿にも力を入れた。アルファベットの「A→B」という具合に1字づつ置き換える換字式暗号を編み出し、これは「シーザー(カエサル)暗号」と呼ばれる。
情報収集には、公開情報による「オシント」、人的接触による「ヒューミント」という従来からの手法に加え、衛星画像や航空写真による「イミント」、イミントと地理空間情報から作成される「ジオイント」などがある。こうした最新テクノロジーの話も満載。本書は、月刊雑誌「Wedge(ウェッジ)」2021年4月号から2024年5月号までの連載をベースに加筆・修正したものだ。
内容説明
古代ローマのカエサルは占いではなく、インテリジェンスを重視して幾多の戦争を勝ち抜いた。米国の初代大統領ワシントンは「インテリジェンスの父」と言われる。インテリジェンスとは、「国益のために収集・分析・評価された外交・安全保障・公安分野における判断のための情報」。各国の情報機関からスパイの歴史までエピソード満載。
目次
第1章 インテリジェンスとは(インテリジェンスと情報;インテリジェンス・コミュニティ;インテリジェンス・サイクル)
第2章 世界各国のインテリジェンス(今だからこそ押さえたい「インテリジェンス」の本質;世界の情報を牛耳るファイブ・アイズってなんだ!?;映画『007』とは違う!英国「MI6」の世界 ほか)
第3章 インテリジェンスの世界史(古代ギリシャにみるインテリジェンスの礎;古代ローマの歴代皇帝によるインテリジェンス軽視の結末;「秘密国家」ベネチアはいかにして国を守ったか ほか)
著者等紹介
小谷賢[コタニケン]
日本大学危機管理学部教授。1973年京都府生まれ。立命館大学卒業、ロンドン大学キングス・カレッジ大学院修士課程修了、京都大学大学院博士課程修了、博士(人間・環境学)、英国王立統合軍防衛安全保障問題研究所(RUSI)客員研究員、防衛省防衛研究所戦史研究センター主任研究官、防衛大学校兼任講師、ロンドン大学(LSE)客員研究員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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