出版社内容情報
高成長が曲がり角を迎え、コロナ禍以降は社会に息苦しさも感じる――。ここ数年、中国人が母国を見る目が変わりつつある。そして彼らは日本に目を向ける。食事、教育、文化、ビジネス、社会……。どんな魅力を感じるのか。豊富な取材により、多くの中国の人々の声から浮かび上がる、新しい日本論。
内容説明
高成長が曲がり角を迎え、コロナ禍以降は社会に息苦しさも感じる―。ここ数年、中国人が母国を見る目が変わりつつある。そして彼らが目を向けるのが日本だ。食事、教育、文化、ビジネス、社会…。そこに、どんな魅力を感じるのか。豊富な取材により、多くの中国の人々の声から浮かび上がる、新しい視点の日本論。
目次
プロローグ 富裕層が日本に移住する理由
第2章 留学、起業、そして…彼らが日本を選ぶ理由
第3章 日本のビルは、上海のマンション1室の価格
第4章 中国人を悩ます母国のモーレツ主義
第5章 「日本式おもてなし」の危機
第6章 日本人が知らない、日本文化の底力
エピローグ 豊かになった中国人は幸せか
著者等紹介
中島恵[ナカジマケイ]
ジャーナリスト。1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yyrn
26
日本経済は長期低迷し、賃金も上がらず、世界における存在感が低下しつつあるが、日本人の資質(民度、マナー、素養)の高さが中国人には驚き・憧れであり、それがなかなか真似できないと自覚しているから日本を求めるのだ、と要約すればそういうことを様々な事例を挙げて教えてくれる本。単なるヨイショ本でもなく、人手不足からくるサービスや品質低下の兆候を懸念し、日本人の良さを自覚して奮起せよ!と優しく励ましてくれる本だった。▼それでも、中国人が日本の不動産や会社を買い漁っていることに嫌悪感を持つのは⇒2023/06/25
りょうみや
23
著者の本は以前何冊も読んでいたが久しぶり。基本的にはどの本も中国人から見た日本の良さ、そして一部改善すべき点を改めて教えてもらう内容。金持ち中国人達は日本が政治的に安定していて文化レベルが高く居心地の良いから移住し、他にない良さがあるから芸術、教育、不動産を買う。日本は人口減で経済は衰退していってもこれからもこれらの良さを保持していくことができるのだろうか。2023/08/10
Tomomi Yazaki
18
元々自由が制限され、それに輪をかけての外出禁止で自由を奪われ、コロナ禍を契機として中国を脱出する中国人が増えている。そんな中国人の興味は食。中でも和牛。中国ではBSE以来、日本からの輸入を禁じているから和牛の美味しさは格別らしい。そして不動産。物件を買い漁り、その家賃収入だけでサラリーマンの年収以上で老後も安泰。彼らが住みやすい日本。そんな中国人も、最近は日本のサービスが劣化していると言う。かつてGDPが中国の3倍だった日本は、今では中国の1/3。中国から見ても日本の凋落は明らかなようです。2023/05/26
紫の煙
10
東京での中国人の多さは、本当に実感する。観光客なのか、住んでいるのかわからないが。不動産を買われるのは歓迎しないが、日本の現状を考えれば、やむ得ないのだろう。いや、中国人も政治体制に疑問を持っている人がいるのだ。経済の失敗は、政治の失敗になるのだろうか。2023/12/11
電羊齋
9
中国人富裕層の日本移住、日本の不動産購入、さらには日本観を糸口にした中国論そして日本論でもある。本書を読むと、中国は急速に発展している反面、安心感・安定感に欠けている部分があり、「日本を買う」中国人たちはその点で日本を高く評価していることがわかる。そして、本書後半でも問題提起されているように、我々として、そうした高く評価されている点をいかに維持していくかが今後問われていくだろう。2023/05/28