出版社内容情報
市場とは、労働とは、豊かさとは――。経済と社会のしくみ、本質を、わかりやすい例と平易な言葉で解き明かした政治経済学の金字塔。たとえば日本経済新聞を読むように、日常の言葉に移し替えた画期的訳業で甦る不朽の名著。難渋な翻訳調の文章を前に諦めていた方も、今こそ人文・社会科学の代表的古典である『国富論』を手に取るチャンス。
上巻は、「第一編 労働の生産性の向上をもたらす要因と、各階層への生産物の分配にみられる自然の秩序」と「第二編 資本の性格、蓄積、利用」を収録。この二編では、産業革命の黎明期にあったイギリスを念頭に、労働と生産の仕組みを明らかにし、今日の経済学の基礎となる考えを体形的にまとめている。第一編ではピンの製造を取り上げ、分業の進展をわかりやすく説明している。さらに第二編では、分業の背後にある資本の蓄積について深く考察している。
内容説明
繁栄している文明国では、労働の生産性が向上してきたのはどのような要因があったからなのか、社会のさまざまな階層に労働生産物が分配されていくときの自然な秩序はどのようなものなのかが、本書第一編の主題である。第二編では、資本がどのような性格をもち、どのように蓄積され、資本の使い方によって、雇用される労働の量にどのような違いがあるのかを扱う。(「序論と本書の構成」より抄出)。
目次
第1編 労働の生産性の向上をもたらす要因と、各階層への生産物の分配にみられる自然の秩序(分業;分業の起源;市場の大きさによる分業への制約;通貨の起源と利用;商品の真の価格と名目価格、労働価格と金銭価格;商品価格を構成する要素;商品の自然価格と市場価格;労働の賃金;資本の利益;業種による労働の賃金と資本の利益の違い;土地の地代)
第2編 資本の性格、蓄積、利用(資財の分類;社会の総資本のうち特殊部門としての通貨、すなわち国民資本の維持費;資本の蓄積と、生産的労働と非生産的労働;利付きで貸し出される資本;資本のさまざまな用途)
著者等紹介
スミス,アダム[スミス,アダム] [Smith,Adam]
1723~1790年。英スコットランドの社会哲学者、政治経済学者
山岡洋一[ヤマオカヨウイチ]
翻訳家。1949年生まれ。政治経済分野の翻訳で高い評価を得る。2011年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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