出版社内容情報
ずいぶん『三国志』について書いてきた。だが、そこに登場するひとりを選んで、大きな構想に移植するのは、これが最初であり、最後となろう。そのひとりとは、諸葛亮以外に考えられなかった――(日本経済新聞連載開始にあたっての「作者の言葉」より)
大河小説『三国志』全12巻完結からはや10年。この「作者の言葉」に、宮城谷作品ファンのみならず、日本中の歴史小説愛好家が期待をふくらませているに違いない。
「三国志」にはあまたの個性的な名将、名臣が登場するが、日本で最も名を知られるのが諸葛亮(孔明)であろう。冒頭の「作者の言葉」はこう続いている。
――かれの人気は、おそらく劉備や関羽などをしのいでおり、たぶんどれほど時代がかわっても、最高でありつづけるにちがいない。通俗小説である『三国志演義』が、諸葛亮を万能人間、いわば超人にまつりあげてしまったせいでもあるが、そういう虚の部分を剥いでも、多くの人々の憧憬になりうる人物である――
「三顧の礼」「水魚の交わり」「出師表」「泣いて馬謖を斬る」「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」といった名言・名句はそのままに、諸葛亮の実像に迫ろうとするこの作品の冒頭はこのように始まる。
――春を迎えて八歳になった。かれは景観から音楽を感じるという感性を備えている――
乱世に生きながら清新さ、誠実さを失わない、今まで見たことのない諸葛亮がここにいる。
内容説明
この者は時機がくれば、雲を招き、天に昇る龍となる。彼の澄み切った忠誠心はいかに育まれたのか。知られざる生い立ち、晴耕雨読の青年期…宮城谷版『三国志』完結から十年、ついに待望の作品が紡がれた。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945年愛知県生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務などを経て、1991年『天空の舟』で新田次郎文学賞。同年『夏姫春秋』で直木賞。1994年『重耳』で芸術選奨文部大臣賞。2000年、司馬遼太郎賞。2001年『子産』で吉川英治文学賞。2004年、菊池寛賞。2006年、紫綬褒章。2016年『劉邦』で毎日芸術賞。同年、旭日小綬章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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