出版社内容情報
そもそも天気予報はどのように行われるのか? 様々な気象データはビジネスにどう活用できるか 地球温暖化の「適応策」のカギは? 元・気象研究所所長が、ビジネス読者に向けて現代の気象学、気象予測の最前線を講義する。
◆気象は人間や社会活動にとっての基本条件であり、重要な情報でもある。気象や気候の特徴は、時間と空間・場所によって大きく変動することだ。
◆気候や気象には自然由来と人間由来のものがある。SDGs(持続可能な開発目標)のウェディングケーキ概念図の土台には、気候変動に関する目標13が位置している。これは人為的要因による気候変動が重視されている表れだ。
◆歴史をたどれば、農業や漁業、あるいは戦争の場面で、気象の見極めはきわめて重要だった。観天望気による天気予報は古くから行われてきた。19世紀のクリミア戦争では観天望気の限界が認識され、気象観測と天気図による近代的な天気予報技術が生まれた。20世紀になるとコンピューターや人工衛星の登場により、数値天気予報が生まれた。その結果、天気予報の精度は飛躍的に向上してきている。
◆また、地球温暖化予測についても、真鍋先生のノーベル物理学賞で広く知られるようになった、コンピュータモデルによって、さまざまな基礎データが作成されている。
◆しかし、こうしたデータは気象専門家以外にはまだまだ普及していない。気象予測は本質的に誤差や不確定性を含むから、データの背景を十分に理解することが大切である。本書は、現代の気象学や気象業務の全体像をビジネス読者向けに解説し、ビジネス分野におけるデータ活用の方向性を示す。
内容説明
現代人の必須知識、気象を、元・気象研究所長が「イチ」から解説!
目次
序章 なぜ、気象を知ることが大切なのか(SDGsの土台に位置する気候変動;気象、気候、天気、天候 ほか)
第1章 気象を理解するための基本のきほん(大気の温度を決めている要因;太陽からの日射が地球の気候に与える影響 ほか)
第2章 天気予報はどのように行われているのか(観天望気の始まり;天気図による天気予報の始まり ほか)
第3章 なぜ、異常気象や温暖化が起きているのか(長期的な気候変化と日々の気象現象との関係;偏西風の蛇行とブロッキング ほか)
第4章 気象データはどのように作られ、活用されているのか(さまざまな気象データ;過去データを活用する「ガイダンス技術」 ほか)
著者等紹介
隈健一[クマケンイチ]
元・気象研究所長。東京大学先端科学技術研究センターシニアプログラムアドバイザー。1983年、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。同年、気象庁入庁。2009年、予報部数値予報課長、14年、福岡管区気象台長、16年、気象庁観測部長、17年、気象研究所長。19年、気象庁を退職。20年から科学技術振興機構(JST)の共創の場形成支援プログラム(COI‐NEXT)のもとで、ClimCORE(地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点)を推進中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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