出版社内容情報
日経BP取材陣が総力を挙げて分析
世界を震撼させたロシアのウクライナ軍事侵攻。ウクライナの抵抗とロシア軍の意外な脆弱もあって膠着状態に陥り、その行方は極めて不透明だ。
経済制裁はエネルギー・素材を中心に世界経済に組み込まれていたロシアを切り離し、ロシアへのエネルギー依存度が高かった欧州、木材など素材での関係が密だった日本などへの影響が生じている。日本企業への影響も甚大だ。
世界秩序、経済への影響、ロシア経済の実態、欧州をはじめとする諸外国の思惑、経済制裁の舞台裏、日本企業の危機対応などを日経BP取材陣が総力を挙げて分析。
内容説明
世界を震撼させたロシアのウクライナ軍事侵攻。ウクライナの抵抗とロシア軍の意外な脆弱もあって膠着状態に陥り、その行方は極めて不透明だ。世界秩序・経済への影響、ロシア経済の実態、欧州をはじめとする諸外国の思惑、経済制裁の舞台裏、日本企業の危機対応などを日経BP取材陣が総力を挙げて分析。
目次
1 蘇る冷戦―「2・24」は世界をどう変えるか
2 黄昏の帝国―ロシアの思惑
3 隣国の脅威―決断迫られる欧州
4 各国のジレンマ―前例なき時代の国家戦略
5 未来なき戦い―経済断絶の舞台裏
6 知られざる戦場―サイバー、先端技術
7 資源混迷―悩める日本
8 戦略転換―日本企業の危機対応
巻末データ ウクライナ危機に企業はどう対応するのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
107
ロシアのウクライナ侵攻が日本と世界に与える経済的影響を考察する。コロナ蔓延で深刻な打撃を受けていたのに加えて、平和と安定を前提とした需要と供給のバランスが一挙に崩壊した現状は世界が平和ボケに陥っていた事実を思い知らされる。特に資源の偏在と権威主義体制への親和性が高い国の多さが、日本を含む民主主義勢力の脆弱さを露呈させたとの指摘は鋭い。こちらが豊かになりたいと願っているから、他国も同じだと信じたツケが回った。この戦争が終わっても、世界は軍備拡張と資源争奪戦に血道をあげる帝国主義時代が長く続くのは間違いない。2022/08/25
てつJapan
16
【良かった】軍事・経済・サイバーなど、ウクライナ危機によって発生した問題を一歩突っ込んだ本。2022年4月くらいまでが本書の対象のため、早く読んだほうが良いとは思います。後書きの行き過ぎたジャストインタイムと適正在庫のバランスが日本経済にとって難しい問題になりそう。2022/07/24
ふら〜
3
2022年6月に発刊された、ウクライナ戦争を受けての影響とその予測について記載されている。民間企業においてはビジネスサプライチェーンリスクが顕在化した形で各業界の対応や影響を見通し、国際関係についても各国の思惑に触れる。危機対応いつまで続くんだろ…2023/04/07
ゼロ投資大学
2
2022年2月24日に開始されたロシアによるウクライナへの侵攻は世界中に大きな衝撃を与えた。この侵攻を冷戦後の世界にどう位置付けるのか経済的な観点から見ていく。核兵器を保有する大国同士の衝突はすなわち世界の破滅を意味する。大国が直接戦闘を行えないため、経済制裁がかつてないほど大きな意味を持つことになった。世界有数の資源大国であるロシアと経済関係を断つのは西側諸国にとっても諸刃の剣であり、グローバルに結びついた世界の危うさも実感する。2023/11/01
読書の鬼-ヤンマ
2
2022年6月23日1刷、図書館本。1989年冷戦終結後、"大国と大国"が、『戦争する時代』が再来。欧米諸国がウクライナへ武器・資金を供与の中、①ウクライナとロシアの直接武力戦争に加え、②武力を伴わない『経済戦争』がある。欧州のエネルギー資源は、ロシア依存度が高い。ロシアへの資金の流れを遮断する施策(ロシア中央銀行の資産凍結)。資源輸出の停止→エネルギー・小麦など高騰→電力・ガソリン・ガス高騰→小売り・運送・製造等への負の連鎖→インフレ→家計に波及。台湾統一方針の中国。日本にとって遠い対岸の火事ではない。2022/09/26