出版社内容情報
●自分を認知できる力、メタ認知の必要性を説く。
これまで『伸びる子どもは○○がすごい』で主に非認知能力の大切さを、また『読書をする子は○○がすごい』で読書が認知能力を高める効果があることを示してきた。この二つの力は、子育ての両輪で、ともに鍛えていく必要がある。たとえば、認知能力が高くても、折れやすい心では学習を進めることができないし、非認知能力が高いだけでは、教養を深めていくことができない。
本書では、いま教育界に密かに浸透しつつある「メタ認知」をメインテーマに取り上げる。メタ認知とは、簡単にいえば自分を客観的に認知できる能力のこと。本書ではこの能力の優位点と簡単な鍛え方についても解説する。
●一段上から自分を見るーー自然に行動し考える力
認知能力の面でいえば、自分はどの学習が弱いのか、どうやれば克服できるのかを考えることができる。この力が弱いと、自分のできる単元をやり続け、苦手分野からは逃げるような姿勢をとる。非認知能力の面からいえば、うまくいかないことがあったときにも気持ちの切り替えができるが、客観的に自分を見つめられないと、時に自暴自棄になり、時間を浪費する結果につながることにもなる。一段上から自分を見ることができれば、自然に考えながら行動するようになり、自立して自分を高めていくことができる。
このような姿勢が子ども自ら身につけることができればよいが、本書では親として何ができるかについてもふれる。自分を振り返る日記をつけさせたり、子どもが親にだけわかる伝え方をしているのを、第三者にわかるように伝えるように促すなど、客観的に自分を見る機会を増やしてもらうことで、メタ認知が身についていく。
第3弾ではあるが、前二作を読まなくても読める内容。子どもを持つ親、教育関係者などにおススメの一冊。
内容説明
勉強してもなかなか結果が出ない、すぐ感情的になる、相手が不快になる発言をしてしまう…。そんな子どもは自分を「モニターする」力が弱いのかもしれない。好評「○○がすごい」シリーズの第3弾。将来の仕事の巧拙も左右する「メタ認知」について、トレーニング法も含めて解説する。
目次
第1章 学ぶ力の鍵を握る「メタ認知」とは(成績の良い子と悪い子で何が違うのか;成績の悪い子はメタ認知的知識が乏しい ほか)
第2章 メタ認知が学習活動を促進する(メタ認知の欠如が成績の低迷につながる;問題なのは「わかったつもり症候群」 ほか)
第3章 認知能力を高める方法(メタ認知を働かせることで学習効果が高まる;自問自答しながら学ぶ ほか)
第4章 非認知能力を高める方法(学力や成績に大きく影響する非認知能力;幼児期に自己コントロール力が高いほど、成人後の学歴や年収が高い ほか)
第5章 能力向上のための心の習慣(自己モニタリングの習慣;自分の行動や思いの意味を考える ほか)
著者等紹介
榎本博明[エノモトヒロアキ]
心理学博士。1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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