最後の防衛線―危機と日本銀行

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  • サイズ 46判/ページ数 736p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784296113071
  • NDC分類 338.3
  • Cコード C0033

出版社内容情報

 前日銀副総裁が明かす危機回避の現場の記録。金融危機を食い止める「最後の防衛線」を担ったのは、もとより中央銀行だけではない。民間金融機関や金融監督当局、預金保険機構、そして資本不足に対応する公的資本注入の財源を握る財政当局だ。強固な防衛線を築くためには関係者が一致協力して事に当たらなければならない。防衛線に綻びが生じると危機は瞬く間に拡大してしまう。
 本書は、1990年代の日本の金融危機と、2008年のリーマンブラザーズの破綻を挟む国際金融危機という2つの大きな金融危機に、現場部署で対応することとなった中曽前日銀副総裁の闘いの記録。筆者の職業人生活の約三分の二は、1990年代の日本の金融危機やリーマンショックへの対応に明け暮れることになった。この二つの危機について陣頭指揮した人物は中曽氏以外いない。
 本書は四部構成となっている。第Ⅰ部では、1990年代の日本の金融危機を扱っている。当初は想定を上回る事態が重なる中で対応が後手に回った状況を振り返る。そして、「今そこにある危機」がだれの目にも明らかになってから抜本的な対策が講じられていった経緯を回顧する。そのうえで、危機終息に長い時間を要した背景を検証する。

 第Ⅱ部は、国際金融危機を取り上げた。発生メカニズムについて考えたうえで、中央銀行の対応を、リーマン破綻までの一年間、破綻直後の緊急ドル流動性供給の仕組みの構築、そして金融政策面からの対応という3つの段階に分けて記述する。

 第Ⅲ部では、国際金融危機後の日銀と金融政策を扱う。本書では、経済の立て直しを図る観点から、白川総裁の下で開始された各種の臨時異例の金融政策が、黒田総裁のもとでどのような変化を遂げていったかについて振り返る。また、副総裁時代の仕事の大きな割合を占めることとなった組織運営面での対応についても触れる。

 第Ⅳ部では、金融危機から学ぶ教訓と今後の課題について整理する。まず、2020年の年明け後に発生した新型コロナ感染拡大に対する中央銀行の政策対応について、「最後の貸し手」機能が遂げたさらなる変貌に焦点をあてて解説する。そして、過去の金融危機から学んだ教訓を整理し、それを踏まえたうえで、中央銀行などの政策当局や民間金融機関にとって残された課題を列挙する。

内容説明

金融危機を食い止める「最後の防衛線」を担ったのは、もとより中央銀行だけではない。民間金融機関や金融監督当局、預金保険機構、そして資本不足に対応する公的資本注入の財源を握る財務当局だ。強固な防衛線を築くためには関係者が一致協力して事に当たらなければならない。防衛線に綻びが生じると危機は瞬く間に拡大してしまう―。1990年代の日本の金融危機と、2008年のリーマンブラザーズの破綻を挟む国際金融危機という2つの大きな金融危機に、現場部署で対応することとなった前日銀副総裁が明かす戦いの記録。

目次

第1部 1990年代の日本の金融危機(金融危機前夜;初期の危機対応 ほか)
第2部 国際金融危機(金融危機間の金融政策;リーマンショックまでの1年 ほか)
第3部 国際金融危機後の日銀と金融政策(白川総裁の下での日銀の対応;黒田日銀の船出 ほか)
第4部 金融危機から学ぶ教訓と今後の課題(コロナ経済危機;金融危機が残した教訓 ほか)

著者等紹介

中曽宏[ナカソヒロシ]
東京大学大学院経済学研究料金融教育センター特任教授、大和総研理事長。1978年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。国際決済銀行(BIS)出向などを経て、2003年金融市場局長、08年理事、13年副総裁。日本銀行での39年間、主に金融システムとグローバル金融市場の危機管理や量的緩和政策の出口政策を指揮。18年同行退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

78
元日本銀行副総裁によるご自分の経験をもとにして金融政策にどのようにかかわっていくべきかを説いている気がしました。確かに新聞や経済週刊誌ではあまり掲載されないところなどが詳しく書かれている気がします。とくに第Ⅲ部の「黒田日銀の船出」のところは日銀の在り方を詳しく書かれているような気がしました。理論がかなり記載されているところもあり私には非常に参考になりました。2022/08/07

まーくん

73
前日銀副総裁が、資産バブルで絶頂期を迎えた日本経済が、バブル崩壊を境に辿った苦難の時代を語る。著者が金融政策の最前線で過ごした30年間には90年代の金融危機と米国に端を発した08年のリーマン・ショックと二度の金融危機に遭遇している。拓銀、長銀、山一と大きな銀行や証券会社が次々と倒産していき、失われた10年という状況に。その後も日本経済は浮揚せず、失われた30年という声も出ている。この間、金融政策の現場での「最後の防衛線」として中央銀行の使命を果たすために苦闘した日々を具体的、詳細に綴る。⇒2023/10/31

koji

17
2018年副総裁として退任するまでの39年間、その大半を金融危機、経済危機を食い止める「最後の防衛線」として死力を尽くした「日銀マン」の魂の記録。何が凄いか。私なりに5点に纏めます。①736頁、全く中弛みがないこと(読む手が止まらない)、②ごまかしのない実直、率直な態度(知的誠実とはこういうことか)、③目配りがきいていること(出口戦略まで踏み込み正に中央銀行の政策の教科書)、④臨場感溢れる数々のエピソードが絶妙なアクセントになっていること、そして⑤職業人としての矜恃(かくありたい)。読後興奮が収まりません2023/09/23

Hiroo Shimoda

14
読み応えある。特に前半のバブル崩壊後の金融危機に現場として如何に対処したか、その手段は「今思えば甘かった」「批判あったが正しかった」といったニュートラルな振り返りがまた良い。2022/09/22

Go Extreme

6
1990年代の日本の金融危機: 金融危機前夜 初期の危機対応 1997年秋の金融危機 体系的な破綻処理の仕組みの構築 中央銀行・最後の貸し手機能 なぜ危機収束に長い時間を要したのか 日本の金融危機が残したもの 国際金融危機: 金融危機間の金融政策 リーマンショック 公的資金注入・追加的政策対応 欧州債務危機 BIS市場委員会 日銀と金融政策: 白川総裁の下での日銀の対応 黒田日銀の船出 金融政策の変遷 金融危機から学ぶ教訓と今後の課題: コロナ経済危機 金融危機が残した教訓 残された課題 金融政策の今後2022/07/02

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