内容説明
各国政府首脳は2030~2035年にかけてエンジン車の販売を禁止し、電気自動車(EV)に偏った電動化を推進する政策を相次いで表明しています。本書は一見、環境に優しく聞こえるこの政策の根本的な間違いを技術の面から検証します。背景を分析すると、確固たるエネルギー政策と技術に裏打ちされた戦略ではないことが見えてきます。欧州委員会と欧州各国の政府および自動車メーカーのEV偏重主義は、顧客不在の戦略であり、いずれ破綻を来すと容易に想定できるのです。日本企業が優位なハイブリッド車(HEV)を現実解とする自動車メーカーが環境対策と成長を両立させ、EVへの傾注が苦境に陥る道である理由をひも解きます。
目次
第1章 EVシフトは本物か―脱炭素を先導する欧州でもHEVが売れる現実
第2章 EVが今後の主流になる?
第3章 EVはCO2削減の切り札ではない―既販車のCO2削減にも効果のあるグリーン燃料を検討せよ
第4章 エンジンの潜在需要は高い―熱効率55%への道筋
第5章 将来の自動車販売台数を予測する
第6章 自動車の全方位開発と燃料/エネルギーのグリーン化を同時進行で加速すべし―その技術的ロードマップ
第7章 やはりHEVが「現実解」
第8章 自動車業界を震撼させたディーゼルゲート―なぜフォルクスワーゲンは不正に走ったのか
著者等紹介
藤村俊夫[フジムラトシオ]
Touson自動車戦略研究所代表。自動車・環境技術戦略アナリスト。愛知工業大学工学部客員教授(工学博士)。1980年に岡山大学大学院工学研究科修士課程を修了し、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。入社後31年間、本社技術部にてエンジンの設計開発に従事し、エンジンの機能部品設計(噴射システム、触媒システムなど)、制御技術開発およびエンジンの各種性能改良を行なった。2004年に基幹職1級(部長職)となり、将来エンジンの技術開発推進、将来の技術シナリオ策定を行う。2011年に愛知工業大学に転出し、工学部機械学科教授として熱力学、機械設計工学、自動車工学概論、エンジン燃焼特論の講義を担当。2018年4月より同大学工学部客員教授となり、同時にTouson自動車戦略研究所を立ち上げ、自動車関連企業の顧問をはじめ、コンサルティングなどを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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