出版社内容情報
危機はチャンスも連れてくる。
今こそ学びたい「教養としてのマネー史」
1929年10月24日は、NY株式市場でダウ平均が暴落し、「世界大恐慌」が始まった。いわゆる「暗黒の木曜日」である。しかし、終値で見れば、この日は実は「小幅安」。暗黒の木曜日は「暗黒」ではなく、市場は楽観論に包まれていた。本当の暴落が起きたのは、もっと後。そしてそこからアメリカ経済は「失われた25年」に突入する。
世界中が不景気に苦しんだこの時代、最初に復活した国は、なんと日本、続いてドイツが躍進する。景気対策において民主主義国は停滞し、独裁国が強さを見せた。
しかし、「失われた25年」に苦しんだアメリカにも、がっちり稼いだ投資家、事業家はいた。株価暴落を予知して大儲けした猛者もいれば、大損を教訓に投資手法を進化させたイノベーター(バフェットの師匠など)もいた。デフレ経済を追い風に事業を拡大させた勇者もいれば、時代の大きな流れをとらえたビジネスモデルで、不況をものともしなかった賢者もいた。彼ら11人の本質的な勝因とは、何だったのか?
著者は、為替ディーラーの経験を積んだ後、テレビマンに転じたエコノミスト。多種多様な文献を検証してマネー史の真実に迫る。
内容説明
1929年大暴落と長期不況の裏でがっちり儲けた投資家・事業家11人。株価暴落に備えはあるか?歴史に学ぶ「アフター・バブル」の勝ち抜き方。
目次
序章 データでたどる大恐慌の真実
第1章 投資編 相場師たちの撤退戦とバリュー投資の誕生(序論 暗黒の木曜日は「暗黒」ではなかった;ジョセフ・P.ケネディ―「王朝の創始者」は靴磨きの声に耳を傾けた;バーナード・M.バルーク―「事実博士」は自動車と住宅に目をつけた;ジェシー・L・リバモア―「突撃小僧」は3度テストした;ベンジャミン・グレアム―「バリュー投資の父」は敗北に学んだ;ジョン・M・テンプルトン―「バーゲン・ハンター」は悲観の極みを待った)
第2章 事業編 恐怖とキャッシュをコントロールせよ(序論 ニューヨークの街角に「リンゴ売り」が繰り出した;コンラッド・N.ヒルトン―「ホテル王」はすべてを失い、再起した;ジャン・P.ゲティ―恐慌を追い風に変えた「ケチな石油王」;デビッド・O・セルズニックとウォルト・ディズニー―拡大均衡を目指した「夢見る映画人」;ロバート・E・ウッド―小売業界の「将軍」は淡々と駒を進めた)
第3章 政治編 ケインズ政策の誕生と副作用(序論 日本とドイツが先行した「独学ケインジアン」の誕生;高橋是清―世界大恐慌を最初に克服した大蔵大臣;アドルフ・ヒトラー―「悪魔」は大恐慌に勝利したのか?;フランクリン・D・ルーズベルト―100日議会で「アクション・ナウ!」)
終章 謎を残す歴史に、何を学ぶか
著者等紹介
玉手義朗[タマテヨシロウ]
1958年生まれ。筑波大学社会工学類卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)、マニュファクチュラース・ハノーバー銀行(現JPモルガン・チェース銀行)などで、外国為替ディーラーの経験を積む。1992年、TBS(東京放送)入社。経済部デスクや経済キャスターなどを務める傍ら、経済関連の書籍や記事を執筆。TBSを定年退職した後、現在はフリーランスのエコノミスト、メディア評論家として活動。日本の近代西洋建築に造詣が深く、各地に残る名建築を200以上訪問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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