内容説明
ゴーン氏の功罪は?いかにして絶対権力を握ったのか?なぜ転落したのか?日産・ルノー・三菱連合の行方は?「日経ビジネス」が見た栄光と転落。
目次
混迷―カリスマの功罪
降臨―フランスから来た男
破壊―大リストラと系列解体
再生―V字回復の光と影
栄光―飽くなき成長欲
君臨―世界制覇の野望
直撃―ゴーンショックからリーマンショックへ
中国―巨大市場に見出した活路
電撃―EVに大博打
膨張―スリーダイヤを飲み込む
不正―完成検査問題の闇
転落―容疑者になったカリスマ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
240
ゴーン会長が日産に入ってからの日産の歴史といった感じ。当時は本当に潰れそうな会社だったんだなと知り、その状態から日産がいかに復活を遂げたのかがよくわかる一冊。今後の日産も注視したい。2019/08/13
なかしー
46
カルロスゴーンの栄枯盛衰をまとめた本、しくじり先生感覚で読了。 迅速な判断力と徹底的なコストカットによるV回復。 その成功体験に慢心や独裁政治による周りとの軋轢が生じ、併せてリーマンショックによる経済不況によって失墜するというのを見ると昔の旧日本軍やナチス失敗にも類似しているように感じた。 現在に目を向けると、アメリカのトランプ大統領を筆頭とした「自国ファースト」を掲げる極端な指導者たちにも?と似たような感覚を覚えて、しょうがなくなった。2019/10/12
しーふぉ
23
タイトルはカリスマ失墜だが、内容の8割はいかに日産を復活させたかとなっている。具体的には縦割りを止めるための特別チームの編成、工場の閉鎖や下請けに対し20%削減させるなどコストカット、目標必達などなど。ゴーン問題は日産の配当で利益出しているルノーに対し、従属的な立場を取らされている日産の軋轢が根底にありそうだ。2019/09/07
西澤 隆
8
日経ビジネス誌に掲載された「ゴーン来襲から逮捕まで」の氏と日産についての記事をまとめた本書はある意味「ゴーン氏はどう見られてきたか」の変遷史。日本のマスコミはある意味一色対応なので、黒船来る的時期はそのように、コストカットの花道の途中ではスタープレイヤーとして、完成車検査不正などの頃は「忙しすぎて状況が把握できないことへの危惧」を煽り、そして逮捕以降は「全てを私物化した悪人」の記事ばかりで他の視点は少ない。それを時系列に並べることで「日本のマスコミはこう態度を変えてきたのだな」が見えるのがとても興味深い。2019/11/25
YUJIRO
7
ゴーン氏が日差に来てから逮捕されるまでの軌跡を開設する。改めて見てみても、コミットメントやクロスファンクショナルチームで日産を立て直した(特に、コンサル等外部に頼らず日産自身の力を使って再建した)ことは見事だと思う。2019/05/24