出版社内容情報
日本のアニメ・漫画オタクの意味から転じて日本文化愛好者を示すようになったウィーブ(Weeb)。アメリカの著名コンテンツサイトSubstackの人気ナンバーワン・エコノミストでWeebの1人である著者が、世界に広がるWeebたちを活用した日本経済復活のシナリオを描いた。ブログサイトnote に掲載されて話題となった「雑居ビル:商業地区をつくるもっと優れたやり方」やBBC東京特派員の日本は変化していないという報道に真っ向から反論した「実は、日本は様変わりしている」、「東京は新しいパリだ」、「Weeb(ウィーブ)ーー日本のポップ文化に首ったけの非日本人」など話題となったコラムも収録している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikada
16
いわゆるウィーブ(日本を愛する非日本人)が移住してサカナAIのような企業を作るのが日本再興につながる、的な論。東京の「雑居ビル」が魅力的という話は新鮮だった。雑居ビルのおかげで他の先進国の都会と比べて圧倒的に飲食店その他の密度が高く、繁華街と住宅街の棲み分けができているとのこと。海外はビルの1階にお店、2階以上は住宅というパターンが多いそうで、そこは初めて知る話だった。メイン読者は政策決定、それからインバウンドに関わりが強い人たちだろうと感じた。2025/06/03
turtle
7
Weeb(ウィーブ)とは日本に特別な興味と関心を抱いている人たちを言い表すスラング。初めて本書で知りました。私が想像する以上にそういう人たちは世界中にいるとのこと、そしてWeebによる対日直接投資を呼び込んで輸出を復活させることで円の価値が高まり、日本人が豊かになれると説きます。雑居ビルに日本の独自性を見いだし、「Notice me, senpai」というミーム化したセリフを教えてくれたアメリカ人エコノミストである著者のWeebっぷりを堪能させてもらいました。2025/07/13
朝ですよね
5
日本経済再興のカギは人々が高度経済成長期のように未来に希望を持って暮らせるかであり、その実現に向けた有力策として対日直接投資が挙げられる。円安により相対的なコストが下がっている。暮らしやすさなどのGDPに出てこない厚生は世界的にみても優れている。日本独自の文化とそれを好む人たち(ウィーブ)の力で日本経済は成長できる。移民は起業率が高いらしい。Zakkyoは魅力かもしれないが、日本でのビジネスが競争力の高い大企業に収斂していかないという欠点でもあるような。2025/06/28
スコットレック
5
タイトルを見ると過度な日本礼賛本かと思うが、著者の方はわりに冷静に日本を分析している。日本ダメだ論に浸る前にこういった本を読んでみるのも良いのでは。終盤での「女性がいつでも電話に出られる親」などの指摘にはハッとさせられた。 CEOや経済学者との対談もあり、各都市のカラーの美しい写真もあり、日本の内側からでは気づかない指摘あり内容はバラエティに富んでいる。興味深く楽しく読めた。2025/05/25
バーニング
5
一部書き下ろしを含むが基本的にはブログ「Noahpinion」からエントリーを持って来ている。そのため普段からノアスミスを翻訳している経済学101メンバーが多くの翻訳を担当している一冊。他国と比べた時の日本の「美点」を再発見するというスタンスが前半で、後半はもう少し広い意味での経済学エッセイが並んでいる。ブログからの転載が多いとは言えブログ自体がすでに膨大な量なので、一冊でノアスミスのエッセンスをつかむという意味では良い一冊かなと思う。2025/05/07