出版社内容情報
旧ソ連との冷戦にはじまり、西側の円、ユーロ、さらには改革開放で台頭してきた人民元の挑戦を受けながら、現時点ではドル覇権は依然として続いている。IMFチーフエコノミストを務めた国際金融の権威が、インサイダー的視点を交えながら描いた基軸通貨ドルの世界史。著者は、政界やアカデミズム内でも根強い「低金利は永遠に続く」「政府債務はフリーランチ」という見解を否定し、ドルが持っている「法外な特権」もアメリカ自身の原因で失われ、インフレ率上昇をきっかけに世界的な債務危機、通貨危機、金融危機が起きると警告する。
【目次】
日本語版への序文
第1章序論 基軸通貨の誕生
第1部ドル覇権への過去の挑戦者たち
第2章ソビエトという強敵
第3章日本と円
第4章欧州単一通貨
第2部現在の挑戦者、中国
第5章今回は違う
第6章朱鎔基の予測
第7章中国人民銀行
第8章危険の予兆
第9章高度成長の終わり
第10章人民元とドルのデカップリング
第3部アメリカ以外の国の問題ーードルとの共存
第11章固定相場制の魔力
第12章ハイパーインフレ
第13章固定相場制はいつ賞味期限切れとなるか
第14章レバノンとアルゼンチンーー例外なのか、普通なのか
第15章 トーキョー・コンセンサス
第16章帰って来た固定相場
第4部代替通貨
第17章グローバル通貨
第18章暗号資産と貨幣の未来
第19章中央銀行デジタル通貨
第5部基軸通貨の優位性と不利益
第20章基軸通貨の優位性
第21章法外な特権、または代表なくして課税あり?
第22章ドル覇権に対処する世界の国々とアメリカの少しばかりの協力
第23章基軸通貨の不利益 第6部衰退に転じるドル覇権
第24章中央銀行の独立性 通貨覇権の砦
第25章債務大国 アメリカのアキレス腱
第26章永遠に続く低金利という誘惑
第27章ドルによる平和の終焉



