内容説明
好きなことだけして生きていく。ベストセラーは出せなくとも小説家として生き残るテクニック。
目次
第1章 作家の異常な愛情
第2章 原稿に体を張れ
第3章 機械仕掛けの編集者
第4章 フル・メンタル・ジャケット
第5章 出版と欲望
第6章 アイズ・ワイド・オープン
著者等紹介
吉田親司[ヨシダチカシ]
1969年5月17日生まれ。福岡県出身。19歳で小説家を志し、32歳で処女作『新世界大戦EPISODE3』を上梓。以後、架空戦記を中心に執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナギ
59
松岡圭祐さんの『小説家になって億を稼ごう』を意識した本になっているが、数多の小説家はこちらに該当するだろう。野球で言えば大谷翔平やイチローと一軍と二軍を行ったり来たりする選手と比較すればどちらが圧倒的に多いか。アマデウスのモーツァルトとサリエリのような想いを抱く事もあろう。『億を稼ごう』は天才向きであり、本作は万人向けなのであろう。作家志望ならどちらも読んでおいて損はない作品だ。2022/12/10
Roko
40
ありがたい編集者、とんでもない編集者、きちんとした出版社、いいかげんな出版社、いろんな話が出てきます。文章を書く才能も大事ですけど、良い編集者や出版社と付き合っていくには自分が努力する作家であることが大事だというところが、吉田さんがこれまで作家を続けてこられた秘訣なのだと思います。コロナ過で、本を読む人は増えたけれど、肝心の書店が休業したり閉店したり、出版社が倒産してしまったり、作家の皆さんにとっても大変なことになっていたという話は、多くの人に知ってもらいたい事実です。#NetGalleyJP 2021/11/29
こも 旧柏バカ一代
37
新人賞受賞から作家にならなかった作家さんの業界の生き残り戦略のノウハウ本。基礎的な物語を書くのは当たり前なので、それ以前の人は全く参考にならないが業界内の生き残り戦略としては凄く参考になる。作家としてデビューして製本された本があったら他の出版社さんに献本する。そして、仕事が取れそうになったら現在取引している取引先には話をして筋を通す。もし、契約で他社との契約は認めないと書いてあったら、新たに取引先になった所に事情を説明して待ってもらうなど。他の会社さんとの調整が重要との話も、、結局は関係性なんだな。。2022/07/09
いっち
35
凡人がどうやって小説家として生き残るかが書かれてる。著者は、「作家として生き残るためにはやはり新人賞に投稿し、一定の結果を出すのがベスト」と言う。まずは新人賞受賞してから。著者は落選続きだったそう。19歳で小説家を志し、32歳でデビュー作出版。13年かかってる。著者が落選続きで行き着いたのは、「自分がいちばん書きたいものを書かないと面白くならない。面白くないものが選ばれるわけがない」という結論だそう。自分が書きたいものを書き、それを面白くさせる。自分は面白いと感じるものを賞に出す。出版後、各出版社に献本。2024/08/08
くさてる
33
主に架空戦記・ライトノヴェルの分野で活躍してきた作家が語る、作家として生きていくための具体的な職業戦略、といった内容で、とても面白かったです。様々な問題や課題が山積みな業界でもあるうえに、ただ作品で勝負、という言葉は美しいけれど、そもそもみながみなベストセラー作家になれるわけでもない。しかしだからこそ、と努力する姿は、自己啓発書やビジネス書を蹴散らす勢いの説得力。さすが作家。本文内では謙遜されているけれど、作品そのものの仕事量と内容を見れば、これだけの作品を書ける人はやはり才能をお持ちなのだと思いました。2022/02/22