内容説明
写真を撮ること、表現することの可能性。全クリエイターが持つべき知恵と勇気。あらゆるクリエイティブが一瞬で消費される時代に表現を続けていく意味を写真家、文学研究者と渡り歩いてきた著者が体験とともに解き明かす。
目次
序章 写真とは何か(写真に真実は写るのか;写真における真実とは何か ほか)
1章 撮ることと世界の認知(世界を認知するということ;写真と嘘と事実と真実 ほか)
2章 表現することの価値(表現のコモディティ化;写真という「語り直し」の産物 ほか)
3章 写真で何を語るのか(全人類総写真家時代の幕開け;ストゥディウムとコモディティ ほか)
著者等紹介
別所隆弘[ベッショタカヒロ]
フォトグラファー、文学研究者、ライター。関西大学社会学部メディア専攻講師。毎日広告デザイン賞最高賞や、National Geographic社主催の世界最大級のフォトコンテストであるNature Photographer of the Year “Aerials”2位など、国内外での表彰多数。写真と文学という2つの領域を横断しつつ、「その間」の表現を探究している。滋賀、京都を中心とした“Around the Lake”というテーマでの撮影がライフワーク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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つくし
3
写真家の写真、SNSに大量放出されるバズ写真、果てはAI生成される写真。真を写すという言葉からすら捉え直す、撮る視点と見る(評価する)視点の迷路への誘い。自分が何かを撮りたいと思ったとき、残したいのか、発信したいのか、表現したいのか、撮るという行為そのものに自覚的になれる一冊でした。写真を撮る自我に気付かせてくれるというのかな。文章量が多く、批判的でも消極的でもない、とても良い一冊。2024/07/26
shin1
3
筆者の写真に対する考察がいろんな角度からされていて、共感できるところもあった。 ただ、説明が細かすぎて読むのに苦しい部分もあった。2024/04/21
タロウ
1
写真家が考えていることや行動を知ろうと思い、読む。期待したほど得られたものはない。snsを通じてバズること、ストゥディウムが現代資本主義における写真の運命だと作者は言うが、そんなことはマルクスが資本主義における人間疎外で予想していたことだし、表現できないプンクトゥムを言葉や写真で表現しようとするのは芸術の行為で真の芸術家は皆やっている。商業化、総人口写真家時代にあってもプロはアマチュアと違い、自分にしか撮れない表現で撮るし、土門拳はそれをやってきた。土門に比較すると、この作者はまだ甘い商業写真家に見える。2024/09/23
kaz
1
写真の意味を自分の従来の視点とは別の角度から考えるようになる。図書館の内容紹介は『あらゆるクリエイティブが一瞬で消費される時代に、表現を続けていく意味とは? 写真家、文学研究者と渡り歩いてきた著者が、写真を通じ自身の体験とともに解き明かす』。 2024/06/01
ぷー
0
哲学的で楽しい対話ができます。 2025/05/08