内容説明
二三号台風による未曾有の水害から三日後、「私」は豊岡で被害に遭った娘家族の救援に向かった。これを機に一緒に住まないかと持ちかけるつもりである。しかし、「私」には、酒に溺れて暴力を繰り返し、妻や娘達から離縁された過去があった…。イラン出兵、新潟中越大震災といった時事問題や太平洋戦争時の記憶を絡めつつ、切り捨てられる弱者の悲劇と、哀愁を抱えた男の半生を描く社会派小説。「氾濫」に加えて、JR福知山線脱線事故を背景に、“人間の生”とは何かを問いかける「決壊」を収録する。
著者等紹介
岸本修[キシモトオサム]
1949年高知県生まれ。地方公務員。1968年、西宮東高校を卒業後、宝塚市職員に。その後、労働運動、原水爆禁止運動等の平和運動、社会福祉法人設立と保育園建設をめざす市民運動に参加。現在、あひる保育園理事。また、困難といわれている肢体不自由児(者)の共同生活の可能性に挑戦中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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