内容説明
会社を背負ってきたと自負していた晴彦は、六十歳を迎えた日、第三資材部への移動を命じられた。会社創業以来のすべての書類を管理する第三資材部は、別名「会社の姥捨て山」と呼ばれる場所だった。破られた誇りを抱えながら五年の歳月が過ぎた。退職を十日後に控えた靖彦は、若い同僚が会社の増収賄の事実を売ろうとしていることを知ってしまう…。長年連れ添った妻の死。ともに会社のために懸命に働いてきた友人の不正。定年を迎える直前に大切なものばかりが消えていく。定年を迎えるすべての人へ贈る傑作。
著者等紹介
速藤智彦[ハヤトウトモヒコ]
1955年東京都町屋生まれ。現在埼玉県熊谷市在住。製造業。日本デザイナー学院レタリング科卒業。会社勤務の傍ら創作活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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