内容説明
農業試験場の研究員・松井功介は場長・景山の指示で遺伝子組み換え米「かぐやひめ」を造ることに。収穫量・栄養価ともに優れた「かぐやひめ」はやがて、日本を代表する米となる。しかし、ある日を境に「かぐやひめ」を食べた人間が次々と心臓発作で倒れ、死んでいく。その原因は、脳内で異常発熱した細胞内物質ミトコンドリアだった―。死因は、遺伝子。第26回新風舎出版賞最優秀賞受賞作。
著者等紹介
海野真凛[ウミノマリン]
1956年岐阜県生まれ。岐阜大学農学部農業別科、放送大学卒。実家で農業を営むかたわら、大学で自然科学を学ぶ。『かぐや姫の遺伝子』で第26回新風舎出版賞最優秀賞を獲得。現在の食文化が持つ、流通経路やコマーシャリズムの危険性を告発している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
22
毎日食べている食料の安全性についてはここ数年賛否両論ある中でたくさん取り上げられている重要な課題の一つ。たぶん、自分が食べているものの安全性は他人任せなのが現状だと思う。神の分野である意味神聖な遺伝子の部分に人間がメスを入れてしまうのは如何なものか・・・ということもあると思う。現代人の食事の仕方とか生活パターンを絡めた物語の進め方。実在する商品名っていうところが気になるけど、いつの間にか引き込まれてあっという間に読んでしまったのは事実。できれば表紙は替えてもらえるといいなぁ。ガツガツ感はよくわかるけど。2011/03/18
kinoko
3
4.0点 コミカルな内容かと思って読みはじめたら、裏切られる。 第26回新風舎出版賞最優秀賞受賞作 この装丁で中身を読まずにスルーする人は多いかも。内容は面白いのにもったいない。 2010/08/01
だいじん
1
とにかく内容が興味深く読ましていただきました。娯楽小説としても読めるが、問題提起されている内容だと思ったので個人的には遺伝子作物に対してとても考えさせられた作品となった。この本と出合えて良かったと思ったが・・・2014/10/06
すの
1
しりあがり寿の表紙イラストは残念ながら本書の内容にそぐわない。遺伝子組み換えによるミトコンドリアが原因で・・は、そのまま「パラサイトイブ」(瀬名秀明)なのだが、それなりに読ませた作品。しかし終盤からの詰めは甘い。せっかくのいい素材を生かしきれず、なぁなぁで終わらせた感が強い。もう少し緻密に、中盤以降を描ききれば、なかなかな作品になったと思うだけに残念。最初のエピソードも物語になじんでいたといえず、ちりばめた伏線も回収しきれていない。いろいろ問題はある。しかし娯楽小説と割り切って読むぶんにはまぁ、いいか。2011/05/06
龍泡
1
帯にあった「米に日本人が恐怖する」と言う言葉通りの本であった。作品は農業問題や日本人の健康の問題に触れられていたが、私が特に印象に残ったのは健康問題である。生活習慣病で日々健康のために様々なことを人々、その中には自分の行動が原因であるというのが描かれている。裏表紙側の帯にある「あなたは今、何を食べていますか?」との文言に対しては、私は今、コメや肉を食べています。と読了後でも言う。安全や利益を追い求める日本人像がありありと描かれていた。2010/12/15
-
- 電子書籍
- ひと肌脱ぎます!雑用部 2巻 白泉社レ…