出版社内容情報
突如人狼と化してしまった少女は、処刑される寸前、白銀の鎧をまとった男に救われた。シエンと名乗るその男は、死ねない体を持つという。ノゾミと名付けられた少女は、死ぬ方法を探し「地獄」を目指すという彼についていくことにするが…。シエンの隠された過去と、ノゾミの運命、彼らの終着点は? 騎士と狼少女、ひとりぼっちのふたりの旅の軌跡を描いたファンタジーロードノベル。
内容説明
少女には名前がなく、生まれた時からひとりだった。浮浪児の仲間と暮らしていたある日、突如体から獣の耳と尾が生えてきた。人狼と化した少女は迫害され、処刑されることになったが、すんでのところで男に救われる。白銀の鎧をまとったシエンと名乗るその男は、死ねない体を持つという。ノゾミと名付けられた少女は、死ぬ方法を探し「地獄」を目指すという彼についていくことにするが…。シエンの隠された過去と、ノゾミの運命、ふたりの終着点は―。騎士と狼少女の旅の軌跡を描いたファンタジーロードノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユーリル
5
魔法戦争で世界が無茶苦茶になった世界で生きる狼少女と不死者の話 2023/06/08
史
4
絶望の先にある世界で、死に拒絶された騎士が、死にたくないと願った少女と出会い、語らい、教え学び、同じ気持ちを持つことになる。それはハッピーエンドにはならないのかもしれない。だけど今は、この今の時だけは、二人はずっとずっと希望に満ち溢れている。ポストアポカリプスな世界で濃厚で、しかしどこか軽妙さがある。その見事なバランスは、まさにファンタジーを、エンターテインメントを楽しむ醍醐味でしょう。この先生の作品には今後とも目が離せない。面白かった!2023/07/27
ABR_trio
2
あたたかい描写で胸がポカポカになって美味しそうな食事の描写でお腹が空いて、ハラハラする場面もあるけれどどこか安心感があって、読んでいて心動かされる場面で涙が出ました。とても好きでした。おすすめです2023/06/15
どどんぱー
1
(図書館本)魔法世界のロードノベルだけど、シエンが無双過ぎて戦闘はメインじゃない。ノゾミとの「地獄」への旅の軌跡がホンワカして心地よい。2023/10/17
S O
0
地の文の言葉遣いがライトノベルみたいで、自分こそが正義と信じるために悪が必要になる価値観も現代的なので、世界は本格ファンタジー、語りはエンタメの風情。一緒に死のうと旅を続けるノゾミとシエンの思いやりに温かい気持ちになれる。ノゾミが思ったあと少しで終わっちゃう、の一言に切なくなった。何故か食べ物の描写が細かくて美味しそうで飯テロになった。シチューに小麦パンつけて食べたい。2025/03/29