感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺぱごじら
5
二年半程前に「陽だまりを求めて」を上梓された宮本氏の二作目は、臨場感溢れる小説。自閉症を持つ方々のための施設を舞台に、青年の眼を通して自分も施設の日常を覗く。新しい環境に張り切って踏み込み痛い目に遭う「有川浩」調とは真逆の、「全くわからん」から入るお話は、思った以上に主人公と一緒に「そーなんか」と読めました。「よっさん」のお父さんが語るよっさんの生い立ちからの話に、恐らく親御さん一人一人が抱えてきた物語が濃縮されているようで、度々読む手が止まりました。沢山の人に読んで欲しいお話です。2023-92023/02/12