内容説明
「東京M市の住宅街で一家が惨殺されるという放火殺人事件が発生しました」テレビの女性キャスターが現場から実況放送を伝えた。同僚と北海道旅行を楽しんでいた妹は、遺体の安置してある病院に急いで向かった。M警察署内三階の大会議室に一家殺人事件の捜査本部が設置された。父親はW大学の教授で、次期総長選を控えていた。捜査本部は、怨恨の線から捜査を開始した。すると、事件当夜から行方不明の殺された姉の婚約者の存在が浮上した―。「一家惨殺」の裏に潜む、驚愕の真相に迫った社会派ミステリーの傑作!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
173
【辛口御免】帯に社会派ミステリーの傑作とあるが、どうなんだろ?何となく行方不明の恋人が犯人のように仕向けられているが、それじゃあ簡単過ぎる・・と思いながら読み進めたら、案の定ではあった。真美子がドンドン強かな感じになって行くから。しかし、一見誰しもが憧れるような家庭の実情はどすぐろい闇を抱えた砂上の楼閣。人の心の欲と憎悪を所轄刑事の粘り強い捜査で晒される。「あんたなんかに私の気持ちはわからないわ」愛を求め得られなかった真美子の言葉が虚しすぎる。2019/05/26
kei@名古屋
16
ううむ。古き良き二時間ドラマ。人間模様もいいし、刑事もさえなさそう。予断を持って捜査してしまうのはどうでしょう2019/05/30
さくらもち
9
初読みの作家さん。事件の構成はありふれた感じ。お父さんがたくさん出てきて一時混乱。真犯人の正体がすこしづつ明かされていくスタイルだが、他のかたのレビューにもあるように、ひっくり返したらあらびっくり!みたいな感じの方が面白かったかも。あと、警察内部の確執ももう少し掘り下げて描写してほしかった。全体としては面白かったので、次は同じ作家さんの「血の記憶」を読みます。2020/08/16
ふじこ
3
こういう救いのない作品はすきだからまずまず面白かった。生まれてきて貧富の差、容貌の差、頭脳の差、色々な人間がいるから生まれるモノだが、お金があれば、美しいから、頭がいいから幸せかというとそうでもない。私は勿論お金のある人を羨ましく思うけどお金のある知人は愛が欲しいという。若い妻を貰っても自分に関心を持ってもらえず愛を求めて愛人をつくる。人はないモノねだりをしながら生きていくもの。そのないモノねだりが時として事件になる。この小説は例えるならその一例。2023/05/27
おしょも
3
普通の警察物。憎まれ役の警察官と、出世は諦めているが頭が切れる警察官。犯人の動機も予想を裏切らない。つまらなくはないけど、面白くもない。2019/06/23