内容説明
元ドッグトレーナーの古東功はチベット戦争に徴兵され、捕虜尋問施設で軍用犬のハンドラーとして働いた。帰還した古東は、不死鳥日本の構成員とトラブルを起こし、二十人近くを殺してしまう。刑務所に収監される代わりに、古東は自衛隊で軍用ロボットドッグのハンドラーになった。その古東が、ひょんなことから、同じ戦争帰還兵・神谷と不死鳥日本の戦闘に巻き込まれた。その上、神谷の娘が不死鳥日本にさらわれる。娘の奪還をめぐり、戦争帰還兵とヘイト集団との壮絶な死闘が開始された!!
著者等紹介
戸梶圭太[トカジケイタ]
1968年生まれ。99年『闇の楽園』(新潮社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
68
この作家の最新作。2018年、チベット動乱に参加した、主人公たち日本人帰還兵は混迷する日本に戻り、苦しい生活を送っていた。ヘイトクライム右翼団体「不死鳥日本」が勢力を増しつつあり… 前作の設定解説が主の中途半端さが解消され、ようやくこの作家らしさを感じる。「不死鳥日本」が完全に悪役で、話が回しやすいからだろう。全三部作というのが納得できる。音楽や小道具が変に細かいのはこの作家のこだわりか遊びか。社会批評の部分が軽く、娯楽に徹しているのは読みやすい。表紙のメカは何かと思って読んでいたがアレなのか。2018/11/14
ぴかりん
17
「あいつは戦争がえり」の続編。前作では敵役だった古東がダークヒーローとなって、カルト教団と死闘を繰り広げる…って話。とにかく悪い奴らはとことん悪く、暴力シーン、殺戮シーンてんこ盛り。ただ、全体的にはアクション映画を見ているようで、スカッとした爽快感さえ感じられ、楽しい読書となりました。2018/05/06
J.T.
7
後ろめたいが、スカっとするのだから仕方がないのだ。 2018/09/04
のじ
6
さくさくっと読めました。まだ続きがあるのかなー。前作の内容をほぼ忘れていたので関係の把握にちょっと手間取った。戸梶氏は、以前から激安人間を描きまくっていたのだけれども、これに登場する不死鳥日本も同列かそれ以下に見ているんだろうなー。いくらか時代の空気も反映している気がするってことは、この国も若干激安化しているのかも・・・。話の中で何人死んだのかカウントしきれないし、話のスピード感とカオスっぷりがいかにも戸梶圭太って感じでした。2018/03/04
ユーキ
5
相変わらずの戸梶小説、不死鳥日本というわかりやすい悪役がいるので主人公たちが無双していくのを気楽に楽しめる。作者のTwitterみるとシリーズ化を狙っているようで次回以降に使うだろう伏線がいくつかある。2018/02/11