感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BZebura
1
原子力災害を描いた、近未来日本滅亡記。東海村の核再処理施設が直下型地震で壊滅。地球を厚く覆うほどの放射能が漏出する。ジャーナリストである主人公は、震源地近くに取り残されてしまい、前半の必死のサバイバルが始まる。恐ろしいほどのリアリズムが、読者を一気に惹きつける。後半は日本の最新鋭潜水艦が、事故終息のための切り札として現れる。核の申し子、黒木艦長の存在感が、『白鯨』のエイハブ船長を彷彿とさせ、これもまた惹きつけられた。意外な結末は、読んでのお楽しみ。2022/05/29
