感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
20
111岡山県出身の戦争体験者からの証言を集め満州事変から日本の敗戦までの十五年戦争を戦争の流れを辿り兵士から一般人までの人達の当時の雰囲気が感じられました。天皇への信仰や村をあげて祝う出征や村で行う戦士者の葬式や非科学的な千人針などは今ではまったく理解できず同じニホンなのか?と思うぐらいです。序盤な勝利に酔い南京で虐殺を行い後半は現地人を支配する為に苛烈な対策を行い多くの憎しみを買い最後は自分達の身に返ってくる。後半の生卵を壁に投げつける様に貧弱な装備の日本軍を物量に勝る米軍と戦うのは正視に耐えない程辛い2021/09/23
ひかりパパ
8
著者は、元は岡山県の公立中学校の社会科の教師で、地方史研究家である。県内の元兵士約200人の証言をまとめた500頁近い大作である。元兵士の生の声を集めた貴重な本だ。本の帯に保阪正康氏が「この本には庶民の歴史が詰まっている」とあるが、元兵士の証言だけに説得力がある。200人近い人からの聞き取りを基にした十五年戦争の「戦争の真実」を見事に描いた通史である。2022/09/21