内容説明
於市は兄・織田信長秘蔵の姫と言われ、信長の命で浅井長政に嫁して、於茶々、於初、於江という美しい三姉妹をもうけ、江北の地で幸せに暮らしていた。「天下布武」を宣言した信長は、朝倉討伐のため上洛した。夫・長政は朝倉側につき、信長と戦火を交えることとなった。風雲急を告げる小谷城。伯父・信長の野望のまえに翻弄される、於茶々たちの命運は―!?織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、天下の覇者をめぐる、「茶々と戦国武将」三部作の第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
42
信長の妹・於市が浅井長政に嫁ぐところから運命が巡り始めたと言えるでしょう。娘である三姉妹の運命の翻弄は信長の「天下布武」にあったのかもしれません。長政が朝倉側についたがために戦火を交えることになったことが運命の皮肉と言えますね。伯父の野望の前に回る歯車。父の敵である信長を受け入れるまでの心の変化を描くのは強く生きる道の選択だったのかと。茶々の健気さ、信長の理想の世への想いが丁寧に表現されていると思います。覇者と共に生きる道を選ぶ女性の強さが感じられ、非常に面白く読みました。2014/09/13
majimakira
8
「茶々三部作」第一弾。信長秘蔵の姫、妹・お市が江北の浅井長政に嫁ぐところから、運命に翻弄される彼女と三人の娘の姿が描かれます。長女のお茶々が、成長とともに運命、特に浅井家の敵たる信長を受入れ、「死のうは一定・・」だからこそ存分に生きることを選んでいく姿には、その逞しさと健気さに心を打たれます。また、浅井長政と義兄・信長の信頼関係確立への試みと頓挫、並びに背景にある長政の葛藤と決断の過程が詳細に描かれていたのが嬉しい。長政という人物に感じる、一領主としての盛んな男気のようなものが、存分に表現されています。2013/02/20
にゃほまん
7
過去二回ほど再読してますが何度読んでも飽きません。大河「江」にハマった方はかなり楽しく読めるのではないでしょうか。。。茶々を主役にして三英傑との関係を綴っていくという視点がオモシロイ!!このシリーズを読み始めると秀吉・家康のシリーズも必ず読みたくなります。また再読したくなりましたーー。
鍵ちゃん
6
お市は兄、織田信長秘蔵の姫と言われ、信長の命で浅井長政に嫁いで茶々、初、江という三姉妹をもうけ、江北の地で幸せに暮らしていた。「天下布武亅を宣言した信長は、朝倉討伐ため上洛した。夫、長政は朝倉側につき、信長と戦火を交わることとなった。風雲急を告げる小谷城、叔父信長の野望の前に翻弄される、茶々たちの運命は!織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、をめぐる「茶々と戦国武将亅三部作の第一弾。茶々の気の強さは、本人が一番恐れていた叔父由来か。それよりお市の美しさが素晴らしく表現されていたな。2020/08/24
バーベナ
4
荒くれ者だと思っていた信長の意外な繊細さや、浅井長政とお市の仲が丁寧に書かれていて、歴史物が苦手なのに夢中になってあっというまに読んでしまった。いまからでも日本史、勉強しようかしら。2012/10/26




