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グレース

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  • サイズ B6判/ページ数 471p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784286082974
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

希久夫と美奈子の夫婦に子供はなく、最近はどこかすれ違いの日々。そんな中、美奈子が事故でこの世を去った。遺言により、免許もない希久夫に遺された妻の愛車・ホンダS800。ところが、不審に思いながらも立ち上げたカーナビには、死の直前に美奈子が巡った、不可解な走行履歴が残されていた。履歴をなぞる旅で、次々と判明する妻の最期のメッセージとは。

著者等紹介

源孝志[ミナモトタカシ]
1961年生まれ。立命館大学卒。脚本家、演出家。CM、TV制作を経て’05年「東京タワー」で映画監督に。主な劇場公開作品に「大停電の夜に」、「チルドレン」(いずれも脚本・監督)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

73
心に沁みる物語。突然事故で妻を亡くした主人公。だが、妻の遺したホンダの名車「エスハチ」のカーナビから、不可思議な走行履歴が見つかる。謎を解くため、夫はこの車に乗って、彼女が死の直前に訪れた場所を辿る旅に出る…。正直余計な描写やこだわりが多くてテンポの悪さを感じますが、主人公とともに旅をしているようでいい気分。最初は妻に懐疑的だった主人公だが、旅を続けるうちに妻の本当に想いが明らかになる展開は胸に迫ります。素敵な夫婦、素敵な物語でした。2019/03/15

むぎじる

45
モナコへ1人旅をしていた妻の美奈子が交通事故で亡くなった。夫の希久夫に残されたのは、妻が「グレース」と名付けた赤のホンダS800。カーナビの履歴をたどってみようと考えた希久夫は、MTの免許を取得して美奈子の足跡をたどる。愛する妻の突然の死は、何物にもかえがたい深い喪失であるのに、全編に流れるロマンティックな香気に酔いしれる。美奈子が自身に誓った、「この男を幸せにする」という一種熱すぎるような想いが、旅の間中希久夫を包んでいるからだろうか。小説の作りが凝っていて、満足できる素敵な1冊。2019/01/19

ぶんこ

43
一人旅の外国の地でバス事故で亡くなってしまった美奈子さん。妻が旅に出てからの足跡を辿る夫。白血病が再発した妻が、病のことも不妊治療の事も何も告げない事に違和感を持ちながら読んでいました。何も語らずとも、連れ合いには何かを隠している事は伝わっている。余計な心配をさせるだけなのに。そんな考えで美奈子さんに共感できないままでしたが、私には想像もできないほどの強い愛に感動しました。草織さんとの仲に関してはモヤモヤ。晴香さんの方がお似合いと思ってしまう気持ちが抜けません。征二郎さんが義祖父になったら素晴らしい。2019/04/04

コーラー

16
美しい愛の物語。おしゃれな構成で、ん?と思った事を必ず後から回収してくれる。各章ごとに出てくる本田宗一郎の格言もまた魅力。エスハチやホンダのルーツも知れて、お得に感じる。失って初めて、心からそれを愛せるんだと思う。この妻、夫の性格をよく理解してるところに花マル。見習いとうございます。2019/09/22

aloha0307

14
四百数十ページの長尺も2日で読了。 自分の命が残りわずかかもしれないと感じた奥さんが、最愛の夫のためにしたことは...? 美奈子は強いな。とても魅力を感じる。 自分の死後、ずっと自分を想い続けて欲しいと思うのか、新しい幸せを見つけて欲しいと願うのか...その境遇にならないと本当の己は見えてこないだろう。 その時を迎えたら...おそらく両方の感情が渾然一体にわき起こり収拾がつかなくなるんだろうな。 時間軸&地軸の移ろいが巧み...映画ではこうはいかないだろう。2014/08/14

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