出版社内容情報
フランスは戦争に植民地を動員し、アフリカを活用する下地を整える。戦後はシトロエンやルノーの車でアフリカ大陸の走破も行われた。大戦はどこまで時代の画期となったのか、植民地支配の社会・文化的側面から、大戦を再考する。
【著者紹介】
武蔵大学人文学部教授。専攻は、フランス植民地史。著書に『フランス植民地主義の歴史』(人文書院、2012年)、『フランス植民地主義と歴史認識』(岩波書店、2014年)など。
内容説明
フランスは戦争に植民地を動員し、アフリカを活用する下地を整える。戦後はシトロエンやルノーの車でアフリカ大陸の走破も行われた。大戦はどこまで時代の画期となったのか、植民地支配の社会・文化的側面から、大戦を再考する。なぜフランスによく仕えないといけないのですか?
目次
第1章 植民地の動員・戦争のなかの植民地(戦場跡から;植民地からの兵士と労働者;フランスの兵制改革 ほか)
第2章 「精神の征服」(ジョルジュ・アルディと『ある精神の征服』;アフリカ版二人の子どもの巡歴『ムサとジ=グラ』;アフリカ人の手記『大いなる慈愛』 ほか)
第3章 シトロエンのクルージング(アフリカの戦闘;植民地の重み;植民地の活用へ ほか)
著者等紹介
平野千果子[ヒラノチカコ]
1958年生まれ。現在、武蔵大学人文学部教授。上智大学にて博士(地域研究)。専攻は、フランス植民地史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すがの
3
WWⅠを考えるシリーズの中の一冊。フランス植民地からWWⅠを眺め、歴史的画期として位置づけられるWWⅠも、フランス植民地主義に関してみれば歴史的に持続しており、むしろ植民地主義が拡大していったことを指摘する。2016/08/24
晴天
1
アフリカにおけるフランス植民地で使用された教育読本では、フランス語を覚えることが「文明的」で、フランス人のおじさんが「正しい在り方」を教え諭してくれると称するのが直截すぎる。しかしその発想の図式のまま、郷土の「後進性」をあげつらいフランス本国をやたらと礼賛する留学生が著者の留学中の1980年代にも多く見られたというのがなんというか。2017/12/20
バルジ
1
第一次世界大戦後、フランスでは大戦前にも増して「アフリカの活用」が人々の意識の中に浸透していた事実は驚きだった。そして支配される側だった人々も正規の教育を受けていないにもかかわらず、親仏的な感情を抱いていたというのは、本国の人々と植民地側の人々との意識にどこか共通する基盤ができていたのだろうか。2017/11/15
iwasabi47
1
WW1のフランス植民地における徴兵、植民地人の教育と自己認識、戦間期の植民地の交通・活用。2017/03/14
しゃる
0
フランスにおける植民地世論やアフリカの政治的活用のポイントとなるイベントを中心に述べる。一方、それと同程度に、旧フランス植民地アフリカにおける「親仏」感情の存在が重要なトピックとして取り扱われている。現在西部アフリカを語るにあたっては主流な「反仏」も、所詮は私の現在の見方や論理が、1960年代からずっと続いているように錯覚しているだけではないのだろうか。絡み合ったものをやがて分離するかのように理解する手法がまず問い直されるべき部分なのかもしれない。2023/11/05
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