内容説明
純潔を守り抜き、老いてもなお凛々しく生きた母。起伏に富み、波乱に満ちた生活を送り、勝気、強気、情熱的な性格で生き抜いたタフな母。過去の弱みにつけこまれ、何も反論せずにひたすら耐え、自分を責めて生きた母―それぞれの女性たちが忍従を強いられながらも精一杯力を尽くした生き様に感銘を受ける一冊。
目次
波瀾万丈―母・あきの生い立ち(紫の袴に黒い革靴;父の再婚・再々婚・再々々婚;矢羽根の女)
枇杷の木の下の忍従―叔母・たえ子の一生(祖父母のもとで暮らす従姉妹同士;母娘の対面;裏庭の枇杷の木;妻妾同居;「かあちゃん、さよなら」)
母のこだわり(一人暮らし;兄一家との緊密な関係;隙間風;「あなた、産むの?」;二人の旅;兄の失明;孫の守護神として)