内容説明
「そうね。イモちゃんは『かねへん』やけど、『いとへん』やもん」「ん?」話の意図が読めない野球崩れの貧弱な頭をまじまじと見つめ、彼女は呆れたような声を上げた。「ほんま、鈍いわねえ。けど、純粋…」。時は80年代半ば。バブルの風潮にあらがい愚直に生きる父に思いを残しつつ、関西に新天地を求めた主人公(ぼっけもん)の行く手には、さまざまな苦難が待ち受けていた…。誇り高き薩摩男児、井上桂の青春物語。
著者等紹介
梅田恒[ウメダヒサシ]
1967年埼玉県新座村(現・新座市)生まれ。6歳のとき、両親の故郷である奈良県に転居。大阪大学経済学部を卒業後、鉄鋼メーカーに就職。現在は鎌倉市在住。2004年に高校野球小説「グリーンズ」(文芸社刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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