内容説明
戦争を仕事とする男が語るウラの世界。
目次
戦場に届いたメール
油断が死を招くジャングル
新兵の死と教訓
イラクからのオファー
自衛隊版「愛と青春の旅立ち」
不条理の道理
イラクの『精鋭』に思う
傭兵リクルート事情
傭兵の夏休み
「死」よりも恐いもの〔ほか〕
著者等紹介
高部正樹[タカベマサキ]
1964年愛知県生れ。高校卒業後、航空自衛隊に入隊し、戦闘機パイロットとして訓練を受けるが怪我が原因で除隊。その後、アフガニスタン、ボスニア・ヘルツェゴビナなどに傭兵として参戦。現在もカレン民族解放軍の一員として戦闘中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクミミ
10
傭兵とフランス外人部隊の違いなど、興味深く読んだ。世の中には戦場で生きる事を望む男達がいるという事実。お金ではなく刺激なのだろうか。現場にいた人間しか書けない裏話などもあって面白かった。2019/02/08
まみる/小説
8
★★★★☆ 傭兵と言うものに興味があり読んだが、それ以上のものを得たと思う。最初は辟易した右傾とも取れる言動や、筆者が何度も「男らしさ」と繰り返すことの根本は、男根的な一元性や安易な右傾化ではなく「行動すること」の言い換えなのだと理解できたからかもしれない。書かれた時期は古いが、情報以上に役に立った。書かれているのは「その状況でどうするべきか」であって、右か左かじゃないと思うんだよな。少なくとも本書では。面白かった。2014/05/19
イワトコナマズ
7
湾岸戦争やミャンマーなどで働いていた傭兵の方が書かれた本です。前半は題名通り著者が傭兵としてどんな生活をしていたかということと、傭兵の生活の基礎となった自衛官時代の生活について書かれています。後半は傭兵の立場から本を書かれていた当時(2003~2005)のイラク戦争やその後の自衛隊派遣などの時事問題について意見を書かれています。2019/05/16
きさらぎ
2
傭兵部隊では、最前線から後方に戻ってくると、大抵の場合、前線で死んだ仲間の身辺整理が始まった。死んだ戦友のロッカーに遺されたものを、使える軍装品を除き、全て捨てる。それは傭兵部隊に身を投じる男たちには、多かれ少なかれ人には触れて欲しくない部分があるからだ。それを敢えて人目に晒さないように、全て捨てるのだ。そうすることによって、傭兵部隊に身を投じて死んでいった仲間の触れられたくない過去を一掃するのだ。 過去は詮索しないし、また誰にも詮索せない。これは死んだ戦友たちに対する最低限の礼儀であったのだ。 2013/03/27
Supernamako
2
給料はさほど高くないというのに驚いた。正規軍ではないからだろうか。非常に過酷な仕事でありながらも筆者が傭兵をやめないのは、紛争が今まさに起こっているところの人々は、平和協定うんぬんよりもまず身の安全を確保してくれる軍隊を必要としているから、とのことだ。人々の安全のために努力するという点においては、傭兵も平和活動家も同じなのだなぁと思った。2012/03/13