出版社内容情報
鋭く音楽の核心を成す「旋律」の多彩な表情。音楽上のドラマは綿密に構成され、小規模ながら凝縮された魅力をもつ作品。
詩集『すこやかに おだやかに しなやかに』より3編の詩「影と海」「愛が消える」「もっと向こうへと」による無伴奏混声合唱のための組曲。混声合唱団ミッレウーノ(指揮:田中豊輝)により初演された。
「やさしい日本語に包まれた、自分(私)と他者(あなた、だれか、あいつ)とのありよう。この詩情を、男女が交わり合う「混声」の、音楽の究極の身体(からだ)ともいうべき「無伴奏」で掬いとりたい。」(作曲者)
「うたを書く」ことを大切にしたという作曲者。明るさ、暗さといった言葉を超え、時に大らかに、時に不穏に鋭く音楽の核心を成す「旋律」の多彩な表情。終曲へ向かうエネルギー、音楽上のドラマは綿密に構成され、小規模ながら凝縮された魅力をもつ作品。
演奏会レパートリーのみならず、中高をはじめコンクール自由曲にも適する。
[曲目]
?T.影と海/?U.愛が消える/?V.もっと向こうへと
【著者紹介】
詩:東京生まれ。父は哲学者谷川徹三。豊多摩高校卒。1952年《二十億光年の孤独》で詩壇に登場。《櫂》《歴程》などに参加した。詩作にとどまらず、わらべうた、童話、歌詞、戯曲、エッセー、翻訳など、さまざまな領域を横断して活躍を続けている。いずれも極めて評価が高く、受賞作品多数。代表作に詩集《六十二のソネット》(1953年)、《落首九十九》(1972年)、訳詩集《マザーグースのうた》(1975年)など。